11月18日

2023年11月19日(日) 107 / 0

今日は母に「気晴らししよう」と朝早くから起こされた

捕獲器を見ては落ち込み、夜遅くに心配になり外を出歩く姿を1番近くで見ていたからだろうか

「…でもあずが」
「あんたが落ち込んでたら見つかるもんも見つからなくなっちゃうよ」と言ってくれる
返答をする前に手を引かれ外に出た

車で遠出
いつもだったら楽しくて歌を歌ってしまっていたのに、窓の外を眺め黙ってしまう

「この時間があれば、あずを探せる」
それだけしか頭が考えなかった

目的地につき自由行動開始

今までここに着いたら何してたっけ？
どこに行けばいいんだっけ？
それしか考えられず、結局母について周った

「自由行動だよ？」
「うん。でも何したらいいか分からなくて」
「何したらって…、今までだったらゲームセンターとかに行ってたじゃん？」
「でも、あずに何かあったらって思ったらお金使えない」
「…。服とか？」
「着れればなんでもいい」
「…本屋？」
「そんなん取り寄せできる」
「何か食べる？」
「…あずは食べれてないかもしれないのに、自分は食べていいのか分からない」
「だから、痩せちゃうんだよ」

現にもあずが居なくなってからご飯が喉を通らなくなり3日にして2キロ落ちた

「食べれる時は食べな、動けなくなるよ」
「…分かってる」
「今なにか食べたいモノ無いの？」
「…特にない。分からない」
「これとか前好きだったじゃん！」

そんな会話を交わし、人が多くなり少しうるさくなった店内から逃げるようにイヤホンをして音楽を流し始めた

帰り道、雨が降り始める

「うわ、雨だ。早く帰ろう」

そう言って母は車を急ぎ走らせる

「…？？雨？？みぞれじゃない？？」

フロントガラスを見れば、重たい雨が降っている

「ほんとだ」
「寒くなるね、あず雨凌げるところにいるかな」
「人のお家に隠れてればいいね」
「雨風凌げて、ご飯も貰ってると尚良いんだけどね」
「うん、生きてるならそれでいいね」

車の中でそんな会話を交わす
少し走らせると状況が変わっていった

「ちょっと！！雪じゃん！！！！」

そう言われ周りを見ると道路も川も山も白くなっている
車をしばらく走らせていると路肩に止まる車
ナンバープレートが雪で見えなくなっている

「ヤバいヤバい」

焦る母と私

「あずも無事でいて欲しいけど、まずはうちらが無事に帰らないと！！」

そう言って安全運転で家に帰った

夜には父が帰り、捕獲器のご飯の取り替え
「面倒だけど、一日置きに変えること」とペット探偵さんに教わっていたからだ

餌を新しくして仕掛ける
以前姿を見かけた茂みにライトを照らす
これももう日課になってしまった

捕獲器を後にして、お風呂に入る
今まで気にしていなかったが、足を中心に傷が沢山ある
放置された茂みの中、竹やぶの中を怪我を承知であるっていたからだろう

あずが居なくなった寂しさに比べればこんなものどうって事ない

お風呂を後にして布団へ

寂しさにより携帯で写真を開いてしまう
捜索用にと保存した写真や前日までに居た写真を見ては「あず」と名前呼び泣く日々

これもすっかり日課になってしまった

君が居なくなって10日
今日は雪を見たよ
こんなに寒い日は、あずが布団に潜り込んで朝遅くまで一緒に寝ていたのを思い出すね
寒くないかな？ご飯貰ってるかな？
毎日あずの事を思ってるよ

早く帰っておいで

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