この数日後、私は夢を見ました。
ミラが外に出て行ってしまった夢。
詳細は覚えていませんが、外に出て行くミラの後ろ姿を「ミラ!」と名前を呼びながら、茫然と見送っていました。

先日、私の住む町で断水騒ぎがありました。
急なことで、会社も急遽午後3時で終業。
各自、断水に備えて準備をするように言われました。
我が家も「水くらいは備えておかなければな」と思いつつも全く備えておらず、慌てて飲料水を購入。
会社近くのドラッグストアはもう売り切れで、ホームセンターで最後の2箱のうちの1箱をなんとか手に入れることができました。
帰宅してからは、生活用水の確保。
小屋からバケツを3個持って来て、それに水を汲むことに。
バケツを持ち、裏口から家に入ろうとした時、母が窓から手を伸ばしバケツを受け取りました。
それに水を貯め一安心。
それから断水する前にシャワーを浴びて汗を流しました。
そんなこんなでやることをやって一息ついた頃、父が言い出しました。
「ミラ、いるか?」
なんとなんと、窓が開けっ放しになっているというのです。
ミコが窓のところで外を眺めていたというのですが、ミラがいない。
ミラはフロンティアスピリットの塊。
お外を冒険するために出て行っても不思議はない。
まず家の中を全て探してみましたが、どこにもいない。
ということは、やはり外に行ったとしか考えられない。
血の気が引く思いでした。
ミラはブッコさんとは違う。お外を知らない猫。
ブッコさんはいつも自分で帰って来たけれど、ミラは帰って来れるだろうか。
初めて外に出て、パニックになっているかもしれない。
正直言って、もうミラに会えないかもしれない、と思いました。
出て行ってまだそれほど時間は経っていないはずだから、近くにいるはず。探さないと。
そう思い、ミラの大好きなおやつ、煮干し削りの袋を持って外に出ました。
「ミラー、ミラちゃーん!」「ミラミラー、ミラコー」
煮干し削りを時々ばら撒きながら、匂いにつられてミラが出て来ないかとキョロキョロ見回しました。
空を見上げ、「ブッコさん、ナツちゃん、ミラを探して」とお願い。
ブッコさんが脱走した時はどうだったかな、と思い出し、かつてブッコさんが脱走して遊んでいた辺りに行ってみました。
うちのすぐ隣にある、ご近所さんの小屋。
ブッコさんはこの辺で遊んでいたな~。
と! あっ、いた。ミラ‼️
「ミラちゃん、そんな所にいたの?」
「ほら、おやつだよ、煮干し削りだよ~」
駆けて行きたい気持ちを抑え、普通を装って歩いてミラに近づきます。
「ほら、おやつ~」
と声もいつものような高さ、口調を心がけ、近づいて行きます。
ミラは見た感じ、いつもと同じ表情でパニックになってはいないようでした。
でもやはりいつもとは違ったのでしょう、身を翻して駆けて行ってしまいました。
「ああ~っ」と思いましたが、走って追いかけて行ってはもっと逃げてしまうだろう。
気は焦りましたが、歩いて追いかけました。
ミラが逃げたのは私の家とご近所さんの小屋の間の狭い通路。
そこを通り過ぎようとして、ふと足を止めました。
私の家側にある空間があるのです。
かつていろんな物を置いていた物置のような場所。
そこがリフォームした時に取り壊され、屋根と床、壁だけ残っているのです。
「駆けて行ったからたぶんいないだろうけど」と思いながら、念のため、と覗いてみると。
「ああ、ミラちゃん、ここにいたんだ❗️」
「ほらほら、煮干し削りだよ、美味しいよ」
と煮干し削りを持った手を伸ばしてみましたが、いつものような食い付きはなし。
それじゃ、と床に煮干し削りを置いてみました。すると❗️
ためらいなくやって来て、煮干し削りをむしゃむしゃ。
そーっとミラに近づいて、素早く抱き上げ確保‼️
ミラが食べるの大好きな子で良かった~。
時間にして、たぶん30分もなかったと思うけど、気が気ではなかった時間。
無事に家の中に連れ帰った時はどっと疲れが出ました。
窓が開いていた理由は、恐らくバケツの受け渡しをした時。
私は母が内側から窓を開けたのだから母が閉めて当然、と思い確認をしませんでした。
母は母で、断水、水を汲まなきゃ、と頭がいっぱいで窓を閉めるのを失念していたようです。
幸いなことに私の住む地域では断水にはならず、しばらく飲用は控えるようにとのことでしたが、その他の使用には制限はなく、それほど大変なことにはなりませんでした。
この断水騒ぎで町中の飲料水は売り切れ。隣の町まで売り切れだったようです。
我が家も含め、うちの町の住民はいざという時の備えをしていないんだな、と思い反省しました。
備えは大事ですね。

仲良く私の枕を分捕るおふたり。
この夜、枕無しで寝ました。

チューリップが咲きました。
真ん中の可愛い花はメリープリンス。
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