夕陽に照らされ、砂塵がきらめき、息をのむほど美しい自然の芸術が広がっていた。
あまりにも非日常的な色彩。友人の眩し過ぎる笑顔。
奴隷は、いまの自分を少しだけ、恥じた。
猫を愛しすぎるがあまり、猫達に捧げてきた人生。
ぼくら猫たちが、奴隷の人生を束縛してきたのか?と考える。
否、そんにゃことはにゃい。何故、奴隷は一抹の羞恥心を憶えたのかは、謎である。
奴隷は、猫達と共に暮らし、戯れ、語りあい、紡いで来たこの砦が、日々堅牢となっていくこと、そして、彼女の体感している世界からあまりにも遠く感じる自分に気付かされたのにゃ。
なんの躊躇いもなく、自分よりも猫達を優先してきたこと、この生き方に間違いはにゃい。
ぼくたち🐈と暮らす人生を選んだのは、同時に、旅という歓喜と非日常を諦めること。
あれほど好きだった現実逃避への旅を、何故か、今はそれほどに恋しいと思わない、羨ましさも覚えない、それに対しての恥だったのか。猫達と紡ぐ摩訶不思議な日常が、奴隷にはTRIPなのだ。
一年中海外を飛び回る友、これでもかと送られてくる写真が、「楽しいわ、素敵だわ、共感して!!」と訴える。
奴隷は、友に伝えた。
ぼく、むくすけが虹の橋を渡ったこと。
その後の絶望と喪失感。
そして、新しい命を迎えたこと。
だが、伝えなければよかった。
友は、たった二行で返してきた。
「ほんとに、懲りないんだね」
「私が猫なんか飼ったら、ネグレクトで殺してしまうわ」
お互いの心の距離が、砂漠よりも遠くなってしまった気がして、奴隷はそっとメールを閉じた。




















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