鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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158日目「回収したラムネも美味しく頂いた。」
2026年5月20日(水) 67 / 0

母は食べる事が大好きだが、子供を差し置いて自分だけがパクパクと間食に勤しむ事は良しとしない性格だった。
“お腹が空けば我慢が出来ない!”と豪語する母は、自分が満足する量以上の食べ物を子供に与える為なら飢えても良いと本気で思っている節がある。

「そういうところは流石、親子って感じだよね…。」

母の考え方は、間違いなく6年前に旅立った祖母と似ている。
大の甘党だった祖母は初孫の私に“飢えた思いは絶対にさせまい!”という強い意志を持っていたようで、頻繁に自分の分の和菓子まで食べさせようとしていた。

…しかし、そんな二人に可愛がられた私が食の楽しみを見出したのは成人してからである。

幼少期は早生まれという事もあり、同級生と比べて非常に小柄だった私は見た目に違わず少食だった。
さらに、たった二十人前後しかいなかった比較対象の同級生が揃いも揃って大柄か大食いだった事が不幸を招いてしまったのだ。

「ご飯、食べるの嫌い!」

学校では偏食の私には美味しいとは思えない給食を強要され、家では好物しかないとはいえ大人並みの食事が用意されている。
当時は自らの腹に許容範囲がある事も分からず、何故自分だけ用意された食事を食べ切るという年下の子にも出来るような簡単な事すら出来ないのかと絶望感に苛まれる程の苦行だったのだ。

「最近は朝ご飯も食べれるようになったし、お母さんよりも好き嫌いがないから楽よね。」

「今でも朝は食欲ないし、眠いのを我慢するくらいな食事を抜いた方がマシだけどね。」

一度、かなり飢えた状況に陥ってからは“食べられる時に食べておかないと生き残れない”という事を身を持って実感した。
母と一緒に暮らすようになってからは、お互いに自分の限界値を認識する機会があったので無理をしない程度に出来るだけ栄養を補給するようにもしている。

…というのも、アレルギーの発作が起きるとメチャクチャお腹が減るからに他ならない。

「今日はラムネなのね。」

大袋から取り出した今日の分のオヤツをテーブルの上にばら撒き、一つずつフィルムから取り出してはポリポリと咀嚼する。
母は私が飴やグミのようなお菓子が大好きだと思い込んでいるのか色々と購入してくるが、この手の種類ならキャラメルのようなソフトキャンディが一番好きだった。

「…おぉ、何かあるやんけ。」

ヒョイッとテーブルに跳び乗った1号が、当然のような動きで頭を下げる。
そして、顔を上げた時にはテーブルの上から私のオヤツのラムネが一つ減っていた。

「1号、貴重な栄養源を盗るなよ。」

よっこいしょ、と1号を持ち上げて引っくり返す。
顔を覗き込むと、派手な黄色のフィルムに包まれた大粒のラムネが咥えられていた。

「ビニールが好きなのは、血筋なのかな?」

口を開けさせてラムネを回収すると、1号はデコレーションボールが入っている袋にじゃれ付き始めた。
舐めるのが好きな1号、引っ張り回すのが好きな2号、中に入るのが好きな3号と違い、4号だけは全くビニールに興味を示さない。
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