これは、大の猫嫌いだった中年オヤジのゲンさんがひょんな事から二匹の猫を世話することになり、しだいに猫好きへと変貌していく様を書いた実話だよ。

それは八月も数日で終わろうとしていた時だったよ。
ゲンさんちは夏暑いと窓を開けて寝るんだ。
その夜も暑くてね、窓を開けていたんだ。でも風が入ってこなかったんだよ。そのくせベランダに置いてあるジョロがことこと音を立てて揺れているんだね。ゲンさん、風があるわりに部屋の中に入ってこないなって思いながらも朝を迎えたよ。
翌朝、窓を開け放して新鮮な空気を取り込もうとしたんだね。
そして次の瞬間、ゲンさんの四十数年来の大の猫嫌いの人生を根底から覆す出来事が起こったんだよ。
ベランダの水やり用に置いてあったジョロの中から白いものが顔を出してたんだ。
そう、僕だよ。
ゲンさんはまだ何か分からずにしゃがみ込んでじっと見てるんだ。
僕もじっと見つめ返したよ。
そして「ミャーア。」って思いっきり甘えた声で鳴いて見せたよ。
ゲンさんびっくりしてたね。
だってゲンさんの人生で間近に子猫見たことなんてないし、まして青い目の猫が存在するなんて知らなかったもんね。
だから初めて僕を見たときは真っ白な毛並みとブルーの瞳に驚いてるやら感動してるやら。
思わず「可愛い。」って言ってたんだ。
猫嫌いの人間が発する言葉じゃないでしょう。
猫を見て生まれて初めて可愛いって思った瞬間だよ。
さあ、ついに初対面を果たした僕とゲンさん。これからどうなると思う。それはまた次回。
お楽しみに。
※僕たちの近況

これはゲンさんちに残っている僕の一番古い写真と思われるよ。
これでも出会ってから二週間以上経ってからじゃなかったかと思うよ。
旧式のデジカメで画像も悪いけど我慢してね。
byホワイト



















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