ヅラポンが旅立ったのは14日。
抱っこをせがむヅラポンを膝に乗せ、ドーナツを食べていると、ボクもボクも。
横から手を出してきて腕を引っかかれました。
ヅラポン、ドーナツ大好き。
ふたりで半分コして、食べました。
最近はヨダレを垂らすこともなくなり、小粒のカリカリも食べれるようになっていたんです。
「よくなおったね、よかったね」
ドーナツ食べたヅラポン、勢いよく外に出て行きました。
この間の豪雨でこの辺にも土砂崩れ警戒準備警報が出ました。
猫たちを家の中に入れっぱなしにしていたのです。
もともと外で暮らしていたヅラポンは飽きてしまって、家の中にじっとしていれないんです。
外に出てもあまり遠くに行かず、家の周りで遊んでいて、いつもは「ジュラァ~」と呼ぶと吹っ飛んできます。
片目とは思えないすばやさです。
この日は一時間過ぎても戻りませんでしたが、あまり気にせずコオロギでも追っているんだろうと思いました。
八時頃母から連絡がありました。
ヅラポンが家の裏で冷たくなっていると。
家に行くともうダンボールの箱に入れられて、線香や花、ごはんが供えられていました。
呆然としてしまって、私はどうしても箱の中が見れませんでした。
凸助が寄り添っています。
茶々。が落ちつかない様子でまん丸目で私を見てスリスリしてきます。
翌朝、仕事に行く前にヅラポンに最後の挨拶をしました。
でも箱の中は見れず、箱の横を撫でただけ。
外に出してあった箱は朝日を浴びてほんのりと温かく、まだやんちゃなヅラポンが隠れていそう。突然、箱の取手の穴から、ヅラヅラパンチの白い手が出てくるような気がしました。
「後悔しないほど、かわいがったんだから、仕方ないな」
「大ケガからここまで生きたんだから、ここまでの命だったんだよ」
自分を慰めながら出来るだけ冷静でいようと仕事に向かいました。
一日経ち、二日経ち、だんだん増える後悔。
ほんとはずっと一緒にいたかった。
もっともっとかわいがりたかった。
くっさ~いヨダレはイヤダ、なんていわず、抱っこしたかった。
コレは高いんだよ、なんていわずに飽きるほどちゅ~るを食べさせたかった。
猫親戚さんからのやさしさの溢れたメールたちで我慢していた後悔と悲しみで満ちていたダムのような気持ちが一気に決壊。
仕事をしていても運転していても涙が止まらず、鼻水まで止まらず、真っ赤な目と鼻を隠すためマスクして風邪ひいたことにしていました。
18日、まめおさんが甘いものを食べて元気を出してと、ママンとまめおさんからとドーナツを持って来てくれました。
ヅラポンも大好きだったので一緒に食べようと写真を額に入れお供えしました。
額の中の写真を見ると、やっぱりもういないんだな、実感になります。
でも、辛くて今まで写真さえ見れなかったのが、見れるようになりました。
「きっとまた会える、きっとすぐ分かる、あんたヅラポンやったんやろって」
梅干さんからのメールにやっと笑えるようになりました。
他の子より、三倍食べて、三倍心配かけて、三倍甘えて、三倍かわいがられて・・・
三倍濃縮、たった一年ちょっととは思えない、存在感ありすぎ。

昨日、まめおさんとママンとまめおさんのお母さんが遊びに来てくれました。
五匹全部見てもらえました。
どんつぁん、まめおさんに抱っこされて、ん~なぁ、手足伸ばしきっていました。
茶々。みんなにスリスリ、遊んでもらって最後はどんつぁんと爆睡していました。
志づ、ばばちゃんにされるがまま、顔をさわられて、ゴロゴロいいながら白目出して喜んでいました。
まな、きのう茶々。に飛びかかり怒られたのです。ビクビクしながらも出てきました。
凸助。何もしてないのにまた笑われた・・・
三倍うるさいヤツがいなくなって静かになった家に、久々の笑い声です。
ほんとに楽しい時間でした。

まめおさんからいただいたケーキ、ヅラポン、一緒に食べようねと写真に供えようとしたら、
もう少しで落としそうになりました。
クリームのところ、ちょっと崩れてしまいました。
「ボクもボクも・・・」
「ちょっと待ってね、ヅラポンが横から手を出すから、ケーキ落としそうになったんだよ。」

ヅラポン、私の心の中に住み家を変えました。
すぐそばにいるように感じます。



















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