最近その言葉がしばしば目に耳に入ってきます。
殺処分って?
保健所に持ち込まれた引き取り手のない猫達。
引き取り手のない猫、その猫はどこから来たの?
毎日通っている猫屋敷。
ご飯は貰ってるけど、家に入れてもらえない猫達。
去勢、避妊もしてなくて、ワクチンもしてもらってない。
一応首輪がついてるから、「飼い猫」として分類されると思うんだけど、手厚く見守りされている地域猫達とは様子が違う。
初めて猫屋敷に行ったとき、大人猫は5匹いた。

生後1か月くらいの子猫は6匹、数日前に2匹いなくなったって言ってたから、8匹は生まれてた。
大人猫のうち、雌は4匹。
二匹が4匹づつ産んだ。
あと一匹,ミケはどこかで生んでお腹がへこんだようだけど、子猫を連れてはこなかった。ダメだったらしい。
残りの1匹、お腹の大きい子がいた。
雌猫が4匹づつ産んでいったら、ものすごい数になっていく、増えすぎちゃったらどうなっちゃうの?
そんな心配をして、毎日通って子猫の目やにだらけの顔を拭きながら、いつか避妊、去勢をするため大人猫と仲良くなっていこうとたくらんでいます。
でもね・・・猫はどんどん減っていくんです。
どこかで隠れて産んだと思われるチャトラママ。
お産で体力を消耗したのか、具合が悪そう。
猫風邪かな、目はうるんでいるし、目やには出てるし、咳もひどい。
呼吸も苦しそう。何とかしてあげたいけど、誰も捕まえることが出来ない。
ただ様子を見ることしか出来なかった。
その2日後、チャトラママは姿を消した。
近所で事故にあった様子はないし、あのつらそうな様子からすると生きているとは思えない。
6匹いた子猫も、猫屋敷の奥様が言うには1匹は大人猫たちが食べていた、という。
ほか2匹も夜はいたのに、朝になったらいなくなっていた、という。
子猫はチャトラのシッポの長い子、短い子、それと白い子猫の計3匹になった。
そこからまた、チャトラの短シッポがいなくなったという。
何故?
どうして子猫はいなくなるんだろう?
近所の黒猫室内飼いという女性が来ていて、「カラスがギャーギャー騒いでいることが良くあるから、カラスに持って行かれたのかもしれないよ。」という。
そうか・・・以前、「淘汰」という日記を書いたときはトンビが子猫をさらっていくって、自分で書いたね。
そうなのかもしれない。
その後、先週末は忙しくて行けなかった。
昨日の夕方、行ってみると、玄関前にケージが。
中に、子猫2匹とママ猫がいる。
「昨日ね、雌猫2匹がそれぞれ子猫をくわえて竹藪の中に入ろうとしてるのを(黒猫室内飼いの女性が)見つけてくれたんだよ。慌てて、連れ戻してくれてね。
その後、家にある古いのでよかったらって、このケージとかトイレとかボールとかみんな持ってきてくれたんだよ。この日よけもね。」
子猫がいなくなるのは、親猫が運んで行ってたの?!
まぁ、母屋の前で子猫がウロウロしてたら、カラスから丸見えだしね。
外敵から守るため、そう言う事だったのかな・・・。
ケージをあけると、ママ猫が出てきた。
子猫を残してのんびりしている。
ケージを嫌がるわけでもなく、むしろ子猫がケージに入ってることで、安心しているようにも見えた。
どこかで出産したらしいけど子猫がいない、キジのママ猫、そばに来るのでナデナデした。
今日は嫌がらないね。首をナデナデ~。おとなしいね。
そして、ついに抱っこしてみたよ。
おとなしくしててくれた。やった!! 1歩前進。
ママ猫とキジママ猫は一緒にウトウト始める。

雄猫チャトラもケージのそばでのんびり。
良かったね。ゾッチャは何にもしてあげなかった。
でも近所の女性は猫たちのためになる事、を考えてくれた。
これで、子猫は外敵に襲われずに育つだろう。
ママ猫も安心して狩りに出かけたり、体力を回復するために休むことが出来るだろう。
今朝も同じように猫屋敷に行った。
変わったことは何もなかった。
いつものように子猫の目を拭いてあげた。
しばらくするとママ猫が手の臭いをかぎに来てくれた。
そのままじっとしてる。
そっとママ猫の背中を撫でてみた。
おとなしくしてる。そのまま首やのどをナデナデ~。
いつも疑い深い目で見てる(ように感じる)ママ猫、初めてナデナデさせてくれた。
ありがとう~♡
残るはミケちゃんだね。この仔はいつもシャーシャー逃げ回る。手ごわいなぁ。

雄猫チャトラがママ猫のパイパイをチュパチュパしている。
甘えん坊だな、これだからママ猫は激ヤセなんだよ。
授乳すると、体力消耗するんだよ、まったく。
チャトラの去勢くらいは早くできるといいなと思いながら猫屋敷を後にした。
昼頃、ゾッチャの携帯が鳴る。家電はすべて携帯に転送されるようになっている。
知らない番号。誰かな?
「○○さん?あたし(猫屋敷)だけど。今ね、茶色の子猫が戻ってきたんだよー!」
「いなくなったって言ってた子ですか?」
「そうなんだよ、2,3日前からいなかった尻尾の短いチャトラだよ。三毛がくわえて連れてきたんだよ。」

「よかったですねー!!」
「ほんとにねぇ、良かったんよー!」
三毛は自分の子猫はダメだったみたい。
でも母性が強くそこにいる子猫をとても可愛がっていた。
ケージが来たことで、安全な場所に子猫を戻そうとしたのだろうか。
猫屋敷の奥様、旦那様、猫がどんどん減って寂しいって言ってた。
カラスに連れて行かれるのか、どこかで死んじゃったのか、こんな飼い方でも気にはしていた。
ケージをもらえば「よかった、よかった、ありがとうねぇ。」って喜んでる。
ゾッチャが子猫のふさがった目を綺麗にすれば、「ありがとうねぇ。目が見えるようになったらカリカリを食べるようになったんだよ」と喜んでいる。

年金暮らし、昔ながらの飼い方、猫は好きになったよと言いながら触れない奥様。
ほんの少しづつ助け合えば、この猫たちも長生きできるんじゃないかと思う。
いつの間にか自然に減っていく、なんて寂しすぎる。
減っていく寂しさがわかってもらえれば、残った猫達を大事に育てていくこともわかってもらえると思う。
猫は人の手が加わらなければ、たくさん生まれても確実に減っていく。
殺処分、なんてしなくても。
それが自然淘汰。
野良猫、もしくはそれに近い状態の猫たちは決して爆発的に増えるなんてないんだね。
誰かがどこかで、餌をあげ、外敵から守る場所や寒さから逃れる場所を提供している。
猫を増やすのは人間。
保健所に持ち込むのも人間。
殺処分は人為的淘汰。
悲しいな・・・。
せめて生まれないように、避妊・去勢は必須だよ。
それが人の手をくわえる、一番大事なところ。
最近のコメント