獣医は「触っても肉感がない、仔猫が育っていない様子、多分死産になるだろう」と言った。
私と母はうなだれた。悲しかったし、可哀想でつらくなった。
獣医の予想を信じていたので、仔猫は生まれても死産だろうと覚悟していた。
でも、そんな人間の予定調和は見事にひっくりかえった。
みーちゃんが仔猫を無事に生んだのだ。
エコー検査では「2匹」と言われたけれど、今日は1匹だけ生まれた。
これは奇跡だと思う。
私は気づいたことがある。
獣医の言ったことは半分合っていて、半分間違っていた。
あぁ、自分しか信じられないんだと。
人の言うことって本当にあてにならないんだってこと。
みーちゃんは、自分の力で、自力で、無事に安産を果たした。
残りの1匹が未だお腹の中にいるけれど、自然の流れに任せるしかない。
一月以上餌を食べないで、脱水症状になって入退院を経て、ようやく出産。
万全ではない、わずか体重2、1kgという細い体で、よくぞ健康な赤ちゃんを産んでくれたと思う。
生命力の尊さを思い知った。
そして、出産して、授乳し、子供を育てる姿に感動している。
こんな貴重な体験が出来るなんて、私の運は上昇気流にのったようだ。
本当に今日は嬉しかった。
愛おしさをたくさん、たくさん感じて、幸せだ。
ありがとう、みーちゃん。無事に生まれてくれてありがとう、仔猫ちゃん。

人生で初めて生まれたての赤ちゃんを見た。
あまりに小さくて、壊れてしまいそう。
どうか無事に成長しておくれ。



















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