
大佛次郎と言えば、鞍馬天狗や赤穂浪士などの時代小説や、パリ燃ゆ、天皇の世紀と言ったノンフィクションまで、幅広い作品を残している硬派な大作家的なイメージもありますが、童話スイッチョ猫に代表されるように、大の猫好きとしても知られ、その生涯に飼った猫は500匹とも言われています。
館内は、至る処にねこ、ねこ、ねこだらけ。
照明の上や本棚の上。
再現された書斎にも、さりげなく猫のオブジェがあり、生前はこんな風に猫がいる部屋で執筆していたのだろう事が偲ばれます。

そうそう、昔のシャムは丸顔だったよね。って、頷いてしまうような愛猫との微笑ましいショット。
私は以前はあまり大佛作品には興味はありませんでしたが、「猫のいる日々」と、言うエッセイを読んでから、この作家のファンになりました。
たとえば、まだ昭和の初期、海外から連れてきてもらったシャム猫をホテルの一室で待つ間の夫人との会話や、そのシャム猫が籠から顔を出す時の描写。
猫好きが知れ渡り、猫を捨てにくる人が後を絶たず、玄関で見張ってみたり、毎日やってくる猫の首輪に荷札で説教を書いたら、返事をつけてやってきた話。
猫の数が15を超えたら家を出ると、夫人を脅し、16になった時の夫人の返し。
鎌倉の黒猫がスラッとしているのは、自分の家のシャムの子孫かもしれないなど、今の愛護の人が聞いたら気絶してしまいそうな話も盛り沢山です(笑)。
青い目やポイント柄の野良が増えたのは、こいつの仕業か。と、思って読むも良し。
猫がやってくる日のドキドキ感を共有するもよし。
さて、今更本題。
今回の写真展。
実は、おすかる様も参加しています。

ズラーッと貼り出された猫写真。
入り口で渡されるシールをお気に入りの猫写真の番号に貼るのだそうです。
(投票ボードが設置してあります。)
お時間のある方、近くまで行く予定のある方は、是非、清らかな一票を(笑)。

いまじねーしょん猫という事で、鞍馬天狗のセリフと猫写作品のコラボも展示されています。
まだ肌寒い日が続きますが、会期は4月8日までなので、足を運んでくださる方が増えていくのを期待です。
記念館の前の花壇はストックの花が満開で、いい香りでした。

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