あれから黒猫ちゃんは毎日夕方から朝にかけ、何度もやって来てはブッコと鳴き交わしていた。そのうちに明るい時にもやって来るようになった。明るい時に見た黒猫ちゃんは全身真っ黒ではなく、背中のところに一部茶色い毛があった。サビ猫の一種だろうか。
そして首のところにはくびれが。
はっきり確認できなかったが、首輪をしているのだろう。黒猫ちゃんに飼い主さんがいないようなら、家にあげてブッコと一緒に飼おうかと考えていたけど、首輪をしているなら飼い主さんがいるということ。残念だけど一緒に飼うことはできない。
その黒猫ちゃんは、ある日を境にぱったり姿を見せなくなった。おそらく黒猫ちゃんも室内飼いの猫で、なにかの拍子に家を抜け出し冒険していたところでブッコと出会ったのだろう。
黒猫ちゃんが来なくなった今も、ブッコは時々窓の外に呼び掛けるように鳴いている。

寂しいよね。



















21
最近のコメント