
数日前の夜、
姐さんがベランダに出たいというので、
扉をあけて一緒に散歩した。
我が家はベランダが10畳ほどもあり広いので、結構のんびりできる。
姐さんは相変わらず、我が家の脇の分岐路に何か通ってこないかと、
黙々と眺めている。
私はその背中を見るのが大好きだ。後頭部からちょこんと乗った、
鋭角に尖った小さな耳がせわしなく動く。
その様子を眺め、私は空の星を見やる。
ただただ、姐さんと夜のベランダにいるという、
何でもない時間なんだけれども、心地よい空気が流れ、
時として愛おしくなる。
猫族がそばにいないと、こんな時間を楽しむ余裕すらなかったろう。
「君とずっとこんな時間を過ごしたいもんだなぁ」
そんな風にひとりごちた、その瞬間、
星が1つ流れた。
神様から返事をもらったようで吃驚した。
絶妙なタイミングで、私も絶妙な話をしたものだ。
私たちは、永遠を生きることは、もちろんできない。
それでも、この組み合わせで起こせるミラクルも、ひょっとしたらあるのかもね。
私は少し浮かれて、他愛もなく、そんなことを思ってる。
姐さんは、相変わらず何かを見張ってるだけ。
こういうとぼけた関係性で、
私たちの星は、ずっとぐるぐる回っていくのかも。



















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