プロのフォトグラファーではないけれど、田舎は職業多様性が狭いため、
専業化された都会に比べ、幅の広い仕事が要求される。
私の場合「ある程度そつなく」をモットーに、安打率重視のやり方を心がけている。
本日は、町の鍛冶屋さんの撮影。
先日この鍛冶屋さんが「現代の名工」に選ばれた。
丁度一緒に作品集を作っているところだったので、これはなかなかに嬉しい話。
工房にお邪魔して数カットの撮影をした。

筍鍬の制作。コークス炉で1000度以上に燃焼しての火造。
金属がいま何度ほどなのかは、色で判断する。

鍛造作業の合間。水で冷ました鍬をバックシュートの要領で火に戻す。
水蒸気がその名残。

砥ぎ。一日数十秒砥ぐ習慣をつけるだけで、包丁の刃こぼれはほとんどしない。
(らしい)0.5mmでも刃こぼれすると、素人では復元できない。

砥ぎ終わった包丁。試切用のもので8年ほど前の作という。
使い込まれた道具は、独特の色気がある。
職人が好きで、行くといつも色んな職人技や伝統工芸の話をする。たまに昆虫も(笑)
こだわりがありすぎ、ずぶずぶ深くて面白い。
たぶん、鍛冶は孤独な作業なので、自分の中でずっと思考しているせいだろう。
どんな仕事でも、畢竟自分自身の完成のためにあると思うのだけれど、
職人はそういうことを如実に感じさせてくれる存在だ。
今年は明日で御用納め。
楽しい仕事ができたことに、今年も感謝して幕としたい。

ふふふ。そうだね。
私も次は、猫族に生まれ変わりたいよ。
君たちと同じ目線で遊ぶのは、さぞかし面白いだろうね。



















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