
菱川師宣の「見返り美人図」です。
江戸初期を代表する浮世絵として、切手にもなっているので、何処で目にされた事があるのではないでしょうか。
この絵もそうですが、振り向く様は、「ちょっと」が、美しいのです。
異邦人だって、「ちょっと振り向いてみただけ」だからこそ、儚いストーリー性があるのであって、全身くるっと向き直り、「異邦人ですが、何か?。」などと言われたら、ワタシハコトバガワカリマセンと、答えるしかなくなりそうです。
ちょっとどころか、大きな声で振り返りの要求をしているような人を時折見かけます。
例えば、他人に道を尋ねられたら、御礼を期待して教えるわけではないでしょう?。
それが自分の知らない場所なら、無理にスマホで検索して、間違った場所を教えるより、知ってる範囲で伝えれば良いのです。
それ以上わからなければ交番なり、土地勘のある人にバトンタッチすれば良い事です。
相手が先を急いでいて、お礼を言い忘れてもいいじゃないですか。
大切なのは、貴女や私、君や僕が賞賛される事ではなく、情報を必要としている人が目的地にたどり着く事なのですから。
迷い人を待ち構えてお礼を期待する人より、黙って手を差し伸べる通りすがりの人が私は好きです。

「見返る時は、ちょぴっとだけですよ。」
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