大きめのスマホを立てかけて、大袈裟な身振り手振りで、画面に向けて何やらしている外国人女性がいました。

スマホからは、音楽や笑い声が聞こえていて、日本語ではない早口の言葉もかなり煩かったのですが、隣の席の人は舌打ちをして、嫌な顔をするだけで何も言わず、店の人も、日本語ではないからなのか、注意もせずに空いた席を片付けるだけでした。
かなりの時間を経過しても煩いので、どこの国の人でも構わないや。と、彼女の席に文句を言いに行きかけてから気がつきました。
その方、聾唖だったんです。
身振り手振りに見えたのは手話で、隣の人の舌打ちも無視ではなく、聞こえていなかったのだと思います。
もしかしたら、スマホから音が出ている事も。

一旦、自分の席に戻ってから、思い出せる限りの英語を駆使して、コースターの裏に「Please mute the audio」と、走り書きして、再び彼女の席に行き置いてきました。
た、多分、通じる(はず)
見ていたら、あたふたとスマホを弄り、相手の声は聞こえなくなったので、理解してくれたのでしょう。
やはり、音声がONになっているのを知らなかったようでした。
振り向いて何度も手を合わせてくるので、こちらのほうが申し訳ないような気持ちになり、お店を出るときに、もう一度だけメモを渡してきました。
「thank you Wish U a Merry Xmas!」と。
その方、立ち上がって、私の手を両手で握りしめてくれました。

誰だって、ひとりぼっちで異国にいたら寂しくなるよね。
クリスマスだし。
Merry Christmas
何年か前、私も見知らぬ人の一言で気持ちが救われた事がありました。
ひとこと添えるだけで、誰かが笑顔になれるなら、言葉にしてみるのも良いじゃない。
コーヒー代を払おうとしたら、先程お帰りになったお客様からいただきました。と、お店の人が言っていました。
サンタクロースっているんですね。
粋なサンタさん、コーヒーご馳走様。
皆様も、素敵なクリスマスでありますように。

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