奴隷に、🐱友から一本の電話が入ったんだ。
「じつは、いま病院にいるのです」
ただならぬ声に理由を尋ねると、日曜の選挙に向かおうと玄関を出た瞬間、雪の積もったアプローチで足を滑らせ、足首を骨折し暫く入院するのだという。
なんと、そのとき飼い猫を外に出したまま、病院へ運ばれたというのだ。
「今ごろ寒さに震えて、お腹を空かせているだろうと思うと……」
そう言って、横浜の端から端に住む奴隷に、どうか餌をあげに行ってくれないかと頼んできた。
しかし、その猫は彼にしか心を許さない、筋金入りのビビリである。
奴隷が行ったところで姿を見せてくれる可能性は、ほぼゼロに近いのにゃ。
それでも、この寒空の下にひとり取り残された小さな命を思うと、奴隷は身震いしたにゃ。
door to doorで3時間。
ようやく辿り着いた頃には、すでに夜の8時を回っていた。
しん……と静まり返った広い庭。
どこにも🐱の気配はない。
「○○ちゃん、ごはんだよ……」
厳重なセキュリティの塀越しに、近隣の人に怪しまれぬよう、小声で呼びかける。
しかし返事はない。何度呼んでも、暗い玄関灯が冷たく辺りを照らしているだけ。🐈の姿らしい影も動きもない。
このまま立ち去るわけにもいかず、お隣の方に事情を説明すると、猫を飼っているというその方は「明日、塀を越えて餌を置いてあげますよ」と言ってくれた。
その言葉が、どれほどありがたかったことか。😹
入院中の彼は家の鍵を姪御さんに預けているらしい。
奴隷が塀をよじ登り、鼠小僧治郎吉を演じることもできたが、閑静な住宅街でそんな真似をすれば通報されるのがオチだ。ここに来るまでに何度も防犯📹が奴隷をバシバシ⚡⚡撮っていたし。人ン家の門にへばり付いて懐中電灯で辺りを照らしている怪しい奴なら尚更ニャ🙀。
その夜、奴隷は眠れなかった。
猫の行方が気がかりで、何もできなかった自分が悔しくて、そして──
独り暮らしの彼と同じようなことが自分の身にも起こり得るということ、猫の運命が、たった一瞬で変わってしまう現実の重さを実感したのである。
嗚呼、○○ちゃん。
どうか、どうか無事でいておくれ……。




















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