鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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116日目「一応、コードはまだ使える。」
2026年4月8日(水) 66 / 0

雨の日は少しだけ肌寒い。
3号のお気に入りの毛布に包まりながら、コタツに足を突っ込んで走り回る猫達をぼんやりと眺める。

「寒いなぁ…。」

我が家にあるコタツは十年近く電源コードが挿し込まれておらず、熱源は全て猫という環境に配慮した代物である。
オマケに猫達が自由に出入りできるように一面はこたつ布団をめくり上げているので、猫がいなければ暖房器具としての能力は皆無なのだ。

…というより、密閉されていないので何も被っていない状態と同じである。

「猫ー、猫まだかー?」

ペチペチと天板を叩き、足先でこたつ布団を蹴り上げる。
お行儀は悪いが、注目を集めなければ猫は来ない。

「ちゃんと毛布も畳み直したのに…。」

4号の持参品の一つに、紺色のオシャレな毛布があった。
平均身長にやや足りないくらいの私を覆うには心許なサイズの正方形で、ピアノカバーのようなピラピラも付いていているので一人用のコタツの布団かもしれない。

「入れない!」

3号を追いかけ回していた4号が、急にこたつ布団に頭突きを始めた。
先ほども説明した通り、コタツの一面は全開放されているので反対側に回れば中に入れる。

「珍しいね?復興組は、幼少期の3号くらいしか使ってないのに…。」

歴代の愛猫達はよくコタツに集まっていた。
人間が足を入れるスペースがないくらい集結していたが、膝の上を取り合う子達もいたので暖を取る事は容易かった。

…しかし、最後の一匹になってしまってからはコタツは違う意味で使われ始めた。

「去年の12月に旅立った愛猫の個室だったから、皆も集合してほしいんだけどな…。」

認知症を患った愛猫が迷子にならないようにコタツをクッションで囲い、座布団とペットシーツを敷き詰めて天蓋付きベッド代わりに活用していたのだ。
始めは脱走を繰り返してお互いに肝を冷やしたが、
晩年は自分の寝床として認識していたようなのでコタツ様々である。

「モミモミするぞー!」

コタツの中に入った4号は、こたつ布団の裏地を前足で押し始めた。
4号は私の布団にも同じ事をするが、3号が愛用している毛布には全く興味を示さない。

「なんや、なんや?僕も入ろか?」

ドシドシとやって来た1号が、ボコボコと波打つこたつ布団に頭突きを始めた。
何度も説明した通り、コタツの一面は全開放されているので反対側に回れば中に入れる。

「仕方がないわね!私も入ってあげるわね!」

持ち上げられたこたつ布団に頭を突っ込み、中を観察する1号の横から2号がコタツの中に滑り込んだ。
先に入っていた4号と何やら揉めるような2号の声が聞こえると、あまり気乗りしない様子の1号も入っていった。

「まあまあやな…。」

「新入りの匂いがプンプンするわ!」

「僕の毛布だから、当たり前じゃん。」

全員が何処となく不満そうな顔をしているが、1号と2号と4号はコタツの中に居座る事をしたようだ。
真ん中に敷かれた毛布を避けるようにこたつ布団に寄り添った3匹は、互い違いに身体を伸ばしている。

「3号は行かないの?」

「僕、チュパチュパするのに忙しいの!」

ヨタヨタとした足取りで寄ってきた3号を持ち上げると、毛布を咥えてモミモミと微睡み始めた。
私は1号の腹の下に足先を滑り込ませ、寄りかかってきた2号と4号で暖を取りながら、右手で転げ落ちそうな3号のお尻を支えた。
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