幸せとは？

2008年4月26日(土) 565 / 2

先日
ぼくにとっては思わぬ大きなプレゼントがあった
ぼくが毎日顔を出す場所のひとつに白黒猫が複数の子達と
暮らしていた
ここは以前ホームレスさんが住んでいた
そのホームレスさんが猫を持ち込んだことがきっかけに
複数の猫が捨てられて
そのホームレスさんは猫を置き去りにいなくなった
しばらくは何人かの人の手で食料が運ばれた
やがて新たにホームレスさんが住み着いた
彼は生き物が好きで
ここに暮らす子が不憫で
一緒に暮らすようになった
小屋もできた・・・・・
そしてそこに身重の白黒猫が捨てられた
ホームレスの彼は
自分の生活も間々ならないのに
不満も漏らさず懸命に世話をした
そして４匹の子猫が生まれた
でも３匹には神様がここで生きることを許さず
陽の光も感じないままにこの世を去った
残った子は
母と同じ柄の白黒猫だった
２匹はほかの仲間と共に懸命に生きた
子猫だからカラスに狙われる
そしたら
仲間みんなで守った
雨のひどい日
みんなが濡れても囲むように白黒子猫を包んだ
だから
白黒子猫は天真爛漫になっていった

やがて
ここに住むホームレスさんは
社会復帰してここを去った
少し遠いところに住んだにも関わらず
彼は毎日ここの子達にごはんを運んだ
あるひとがそれをみてこう訪ねた
「毎日毎日遠いところから大変でしょ？」
彼は
「ひとり寂しいときにこの子達に
どれだけ支えられたか。いま恩返しをしないと
本当に社会復帰したことにならない」こう答えて
満面の笑みを浮かべた
そばで誇らしげに猫たちがすわっている
そんなところだった

もちろん
平和ではない
パルボが蔓延１６匹の子が一度に命を落とした
虐待もあった・・・・・・

毎日通うが
力不足で一進一退だった
白黒子猫はそんななかでも人間を信じ天真爛漫
猫嫌いな人に蹴られても
また擦り寄っていくような子だった・・・・
逆に心配で心配でしょうがない子だった

そこに
大きなプレゼント
遠い
遠い
青森から突然天使が飛んできた・・・・・
里親に迎えたいと言って迎えに来てくださった
うれしかった・・・・・
里親さんと白黒子猫が初めて対面した日
不思議なことがあった
里親さんと白黒子猫が対面し
里親さんはこの子が住んでいる場所と仲間たちを
その瞳に収めようとちょっと遠巻きに立っていた
そこに
いつもは人に近づかない白黒子猫の母が近づいた
そして足元までくるとちょこんと座り
じーっと里親さんを見つめた
「この子をどうぞお願いします」とでも
言っているようだった
涙が出た・・・・里親さんに隠すのが精一杯だった
そして
彼女は里親さんと遠い青森まで
新幹線で旅立った
幸せへのスタートそう信じていた
なんにも
疑わなかった
でも
ただ幸せになることを神様が許さなかった・・・・・

里親さんがワクチン接種のために病院に連れて行ってくれた

そして・・・・
そして
里親さんは告げられた
「この子猫はエイズです」と
天真爛漫な白黒子猫は・・・・・・・
エイズキャリアと告げられた

つづく

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