あぁ…とうとうどこか手の届かない所に…
なんて
諦めている場合では無い!
探さなければ
そう思ったのも束の間
少し離れた材木の向こうに餅子嬢の白い姿が
餅子嬢はお腹がかなり空いている様子で
お腹が空いたぁと鳴いている
よしっ
もうこれで捕まえられなければ諦め…ないけど
今日のラストチャンスだ
雨が降り出した
家に戻り、パウチとご飯皿とついでにちゅ~るも手に
再び外に出た
傘を肩にかけて
両手を使えるようにした
餅子、もういいよ
お腹空いたんでしょう
ご飯だけでもいっぱい食べて、今夜は眠りなさい
そう声をかけると
好きなパウチを見て
迷いながらも寄って来た
匂いが届くように風上に
風も、わたしに味方をしてくれた
まずちゅ~るを舐めさせる
手を伸ばして少しづつ引っ込めて
失敗した時と同じ方法だが
今回はすかさずご飯皿にパウチを足してあげた
すると
パウチの方に食いつきだした
手の届く場所に餅子嬢が一心不乱にご飯を食べている
そお~っと、上から餅子嬢の胴体を両方の手で包み込んだ
これは
何と言うか
無の極致だった
何も考えない
焦りもせず
とにかく
餅子嬢を抱っこする
それだけ
抱っこされた餅子嬢は
何が起こったか分からない様子
抵抗もせず
素直に抱っこさせてくれた
朝の10時から夕方の18時半まで
8時間半の大冒険に幕を閉じた瞬間である
間違い無く餅子だ
暖かい…その暖かさを感じた瞬間、緊張の糸がほどけて涙が出た
50過ぎた良いばばあが
恥も外聞も年甲斐も無く
もちこぉ~っと声をあげて
泣いた
泣いたまま家に戻り
心配して待っていた相方が窓を開けてくれ
餅子嬢を受け取ってくれた
相方に何泣いてんのと言われたが
気にしたこっちゃない
餅子嬢がわたしの元に無事に帰って来た
神様
そして、馬鹿なばばあの長い1日の日記にお付き合いして
見守って下さったネコジルシの皆さま
ありがとうございます
心から感謝致します

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