鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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99日目「これは全て“夢”の話です。」
2026年3月22日(日) 94 / 0

午後10時を少しだけ過ぎた頃。
私は一階にある仕事場に戻って行く祖母に声を掛けた。

「おやすみなさい。」

居間と階段を隔てる引き戸を閉め、ガラス戸に突っ張り棒を立て掛ける。
どれだけ格好が悪くとも、頭の良い猫達が脱走しないように試行錯誤を繰り返した末に辿り着いた最適解なのだ。

「皆も、そろそろお眠の時間だよ。」

足元に集まっていた猫達の数を確認する。
私の傍を離れてまで冒険に赴く猫は居ないとは思うが、もしもの事が起きない様にしなくてはならない。

「…寝るの?」

大柄な黒猫が小首を傾げると、小柄な黒猫も同じ動きをする。
大きな黒猫は全身が真っ黒だが、小さな黒猫は首元と胸元と腹部に白色の部分があった。

「また明日ね。」

全員の頭を撫でててから、座り込んだままコチラを見上げている2匹に視線を合わせる。
何かを期待するような黄緑色と薄黄色の瞳を振り切るのはとても辛いが、仕方がないのだ。

「…おやすみ。」

階段に足を掛け、扉を閉める瞬間。
先ほどから表情は全く変わっていないハズなのに、2匹の黒猫はガッカリした雰囲気を醸し出していた。

「まぁ、三階の扉は鍵を掛けてないんだけどね…。」

寝床を整えながら、小さく呟く。
就寝時間まで一時間ほど猶予があるので、暇潰しの相手がほしいのだ。

「今日は、誰が開けるかな?」

スマートフォンを充電器に繋ぎ、枕の上に乗っていた3号のお気に入りの紙くずを放り投げる。
フィーチャーフォンでソーシャル・ネットワーキング・サービスを閲覧しながら、猫達が布団に来るのを待っていた。

「…変な“夢”。」

目が覚めたので、とりあえずメモ帳に見た夢の内容を箇条書きする。
この後、さらに物理的にぶっ飛んだ夢も見たが、コレには猫が登場しなかったので省略した。

「また、会いたいな…。」

夢に登場した大柄な黒猫は、私が初めて育てた子猫である。
とても利口な猫で、一人っ子の私にとっては兄弟のような存在だった。

「アンタも先代みたいに、賢くならないといけないのよ?」

寝ぼけ眼のまま母に夢の話をすると、母は抱き上げていた3号の顔を覗き込んだ。
3号の名前は夢に登場した小柄な黒猫から受け継いだものであり、私も母も取ってこい遊びの始祖と様々な共通点がある3号に懸けている期待は大きい。
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