鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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126日目「お家の中にも敵はいっぱい。」
2026年4月18日(土) 67 / 0

部屋の気温が25℃を下回る事がなくなったので、布団を冬用から夏用に替えた。
また寒くなりそうな気配があるので本格的な衣替えは行っていないが、4匹の猫が添い寝係を買って出てくれているので寝具は薄くても問題ないと判断したからである。

「“開かずの間”が開いたぞー!」

押し入れを開けると、派手な足音を立てながら猫達が駆けてきた。
ピョコピョコとタイミングをズラして侵入を試みてくるも、猫飼い歴=年齢の私には死角がない。

「はい、おしまい!」

復興組が生まれる前から行っている作業なので、猫達を往なしながらでも手早く片付けられる。
歴代の愛猫達も押し入れには興味津々だったので、猫を入れないようにするのは慣れているのだ。

「…ん?」

閉じられた引き戸の前で拗ねていた1号と2号と3号。
しかし、不機嫌そうに短い尻尾を振り下ろしていた3匹はすぐに違和感を覚えて同じ方向に視線を向けた。

…何故か、4号が戦闘態勢を執っているのだ。

「アレ、4号?どうしたの?」

後ろからやって来た母が声を掛けてきた。
1号と2号と3号がワシャワシャと散らばっていったが、4号だけは母の接近に気付いた様子がない。

「…怖がっているの。」

私は4号の正面にいるので、彼が何処を見ているのかが分かった。
ソレは母と1号と2号と3号の目には認識されるほどの脅威にはなり得ない物だと判断されたようだが、4号には恐怖対象だったようだ。

「何に?」

「コレに…。」

ヒョイッと持ち上げると、4号が慌てたように後退した。
状況が分からずに静観する母の足にぶつかり、小さく威嚇音を出しながら直角に曲がって逃げていった。

「…え?」

「さっきも布団を干しに行く時にビビってたから、でっかい塊が違う生き物に見えるんだろうね。」

母に説明しながら、私はこたつ布団を交換した。
我が家は猫達が寒くない様に年がら年中、コタツに薄手の布団を掛けているのだ。

「…この子、持参品として毛布を持ってきたのよね?」

「猫だもの、ちょっとした勘違いくらいするさ。」

冷静な1号はともかく、警戒心が強い2号と怖がりな3号ですら敵だと認識しなかったペラッペラのこたつ布団。
4号の目にどう映ったのかは分からないが、いつもモミモミしている布団でもカバーを外せば異質な物に見えてしまうのだろう。

「…誰かを思い出すわね。」

「4代目の1号はビビりじゃないのにね。」

二十年来の付き合いの獣医師に“ずいぶん似合わん名前やな”と評された1号。
三年前に旅立った先代は歴代の怖がり達を“彼らは図太かった”と評価を改めさせてしまう程、飛び抜けて臆病な猫だった。
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