鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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97日目「空腹が耐えられない彼女にとっては、火急の用。」
2026年3月20日(金) 177 / 0

午前3時45分。
まだ日の出にも程遠い時間帯。

「…ん?」

真っ暗な部屋の中、布団と毛布に包まっていた私は天井を見上げながら気配を探る。
身体の左側で、何かがモゾモゾと動いていたからだ。

「どうした、2号?」

いつの間にか布団に潜り込んでいた2号が、ジリジリと後退りをしていた。
私の顔に向かって丸めた背中を突き付けるような、躊躇いのない動きであった。

「あぁ、外に出たいのか。」

暑がりの2号は、ポカポカの布団の中に長居が出来ない。
サウナを楽しむが如く、出たり入ったりを繰り返す2号に何度も叩き起こされてきた私は二度寝をする為に目を閉じた。

「…ん?」

ピタリ、と2号の動きが止まる。
何かを考えるように停止した2号は、何故か前進を始めたのだ。

「…2号さん?」

後ろに向かって進んでいた2号は先ほどまで丸まっていた(と思われる)場所を通り過ぎ、私の足先まで辿り着いた。
目的は不明だが、小さな顔で布団を持ち上げる気配を感じる。

「あぁ、アッチから出たかったのか。」

何が違うのかはサッパリ分からないが、2号がそうしたいのなら私は止めるつもりはない。
再び二度寝をする為に目を閉じ、全身の力を抜いていった。

…ポフッ。

左頬に慣れ親しんだ毛皮が押し付けられる。
かなりの速さで後退してきた2号がぶつかってきたかと思うと、勢いよく足先に向かって走っていった。

「…可愛く、言って、アンポンタン。」

思わず呟いてしまったのは、数年前に再プレイしたゲームのキャラクターの台詞。
何が起こっているのかを正確に認識した途端、私は二度寝ができないくらい目が覚めてしまったのだ。

「あと一押しすれば、ドッチからでも出られるのに…。」

後退した時は私の頬に当たり、前進した時は布団を持ち上げても毛布に阻まれた2号。
何度も前後に移動しながら、必死に外に出る手段を考えていたのだろう。

「はい、どうぞ。」

パニックを起こす前に2号を持ち上げ、外に出す。
走り去る2号を見送りながら、他の猫達の位置も確認した。

1号は私の右足を枕にしながら、毛布の中で伸びている。
3号は私の右手を枕にしながら、毛布に吸い付いている。
4号は私の右肩を枕にしながら、毛布で巣を作っている。

「…全部、居るじゃん。」

目を細めながら、離れていく黒猫の動きを目で追いかける。
トイレの為に急いでいたのだと思い込んでいたが、暗闇からカリポリとドライフードを食べる音が聞こえてきた。
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j_mi 2026/03/21

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