猫との暮らしに必要なもの

猫との暮らしを始めたのはいいものの、ペットショップやホームセンターにはたくさんの猫グッズが並んでいて、何から選んだら良いのか分からない、なんて方の為に、どんな時にどんなものがあったら便利なのか、必要度別に解説します。

最低限必要なもの

フード

成分表記に「総合栄養食」と書かれているものを選びましょう。ドライでもウェットでも構いませんが、これ以外の表記のものはおやつやおかずとして考えるようにしてください。「総合栄養食」と書かれているフードは、これとお水だけで体に必要な栄養素が全て摂取できるという意味です。

ドライフードは一般の猫の飼い主がカリカリと呼んでいる乾燥フードの事です。手軽で缶詰に比べると傷みにくいので、日中留守にするおうちでも置き餌として使用する事ができます。

ウェットフードは缶詰やレトルトタイプのフードの事です。魚や肉の素材の香り、舌触りをそのまま生かしてある商品が多いので、好む子が多いようです。ただし、開封後は傷みやすいので食べ残しはすぐに片付けるようにしましょう。

いずれのフードも年齢別に子猫用、成猫用、老猫用などがあります。その子のライフスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。フードに関する詳細はこちらのページでも解説します。

お水

基本的には水道水で充分です。日中留守にするようなおうちでは、塩素の入った水道水の方が傷みにくいので適していると言われています。

ミネラルウォーターを利用する場合、猫にはミネラル分の少ない軟水の方が良いと思われます。これは、猫(特にオス)に多いと言われている下部尿路疾患の原因のひとつに、食物などから摂取するミネラル分が影響すると言われているためです。

猫は脱水に対して非常に弱い動物だと言われています。とくにカリカリを主食にしている場合、食餌からの水分の摂取がほとんどありませんので、必ず新鮮なお水をいつでも飲めるようにしておきましょう。

また、猫が毎日きちんとお水を飲んでいるかチェックするようにしましょう。

フードディッシュ

フード用と水用、カリカリを置き餌にする場合、猫缶用のものも用意して、カリカリに水分が混ざらないようにすると良いでしょう。プラスチック、ステンレス、陶器のものなどたくさんの製品が出回っています。安定性が良く、こまめに洗って清潔にできるタイプのものを選びましょう。

猫の口内には、サルモネラ菌などの食中毒菌が常在しています。これらは猫にとって通常は無害ですが、人間には有害な菌です。普通の食器を利用する場合でも、猫専用のものを用意し、決して人間とは共用しないようにしましょう。

各材質の特徴

  • ステンレス製

    • 丈夫で安定性が良い
    • 衛生的(熱湯消毒ができる)
  • 陶器製

    • 安定性が良い
    • デザインが様々でインテリアに合わせる事もできる
    • 衛生的(台所用漂白剤などで消毒ができる)
    • 熱湯消毒をすると稀に割れるものがある
    • 落とすと割れる事がある
  • プラスチック製

    • 入手が手軽で安価
    • 軽くて丈夫(稀に割れやすいものもある)
    • 色やデザインが様々で楽しめる
    • キズに汚れが入り込み、不衛生になる事がある
    • 稀にアレルギーを起こす事がある(口の周りのカブレ、脱毛など)

プラスチックや陶器などのお皿は、デザインも可愛くて、いくつも用意し日によってお皿を換えて楽しむ方もいるようです。猫はヒトと暮らす動物達の中で、一番食器にうるさい動物です。是非お気に入りの食器を見つけてあげてくださいね。

ネコ砂

猫の先祖は砂漠に程近い地域に生息していたと言われています。その名残からトイレで砂を掻く習性があります。この習性から、猫のトイレには砂を使うのが最も適しています。現在は鉱物製、紙製、おからや木製、素材も形状も様々なネコ砂が出回っています。

猫はこれまた砂の形状にもとてもこだわりを見せる動物です。気に入らないトイレは使わず、粗相をしてしまう子もいます。どうしてもトイレのしつけがうまくいかない時、トイレの砂の形状を思い切って全く別のものに変えるとうまくいく場合があります。室内の状況、各自治体のゴミ処理法、猫のこだわり、様々な条件と相談しながらトイレ砂を選んでみて下さい。種類などについてはこちらのページにて紹介しています。

トイレ容器

トイレ砂を使用する場合、必ず必要になってくるのがトイレ容器です。フラットなトレー型、砂の飛び散り防止に後部が高くなったもの、ドーム型(入口ドア付き、ドア無し)、中には電動で掃除を自動的に行ってくれるものもあるようです。子猫時代の一時しのぎには、100円ショップの水切りカゴやタライなどを利用する事もできます。

住環境により、設置できるタイプは異なってくると思います。また、猫の数によっては複数設置が必要になる事があります。2頭以上の猫が同居している場合、猫の数+1個が推奨とされています。猫はとてもトイレにうるさい動物です。ネコ砂の項にもあったように、トイレの設置場所、他の猫と共有か否か、はては縁の高さにもこだわる子がいます。トイレに関する問題は、トイレのしつけトイレに関する問題(マーキングやスプレーなど)ページで詳しく解説しています。

キャリーバッグ

猫を連れて帰る時、病院に行く時など、日常使わないけれど絶対必要なものがキャリーバッグです。コンテナタイプのもの、バスケットタイプのもの、キャスター付きのものなど、タイプは様々ですが、必ずしっかりと扉が閉まり、猫が飛び出す心配の無いものを選ぶようにしましょう。

猫には小型犬用の顔が出せるようになったバッグタイプのものはあまりお勧めできません。犬に比べ、猫は体が柔らかいので、首輪が外れて外へ飛び出してしまう可能性が高いためです。中で反転できる程度のゆとりのあるものを選びましょう。

用意した方が良いもの

ベッド

家の中で自由に暮らす猫といえど、誰にも邪魔されない自分の場所を欲しがる子は多いものです。その子のお気に入りの場所に、お気に入りのベッドを用意してあげる事で、日常のストレス解消になる事があります。

ドーム型、袋状、おわん型、材質も綿やフリースなど、色もデザインもたくさんのベッドが出回っています。ペット用ベッドでなくても、脱衣カゴに毛布を敷いたり、段ボール箱に穴を開けたりしたものがお気に入りになる子もいます。猫はどちらかというと、広々したベッドよりも、体のサイズいっぱいいっぱい位のものやドームのように上が覆われたものを好む子が多いようです。

「ここなら安心して眠れる」お気に入りの場所を用意してあげましょう。

多頭飼いの場合も、個々にお気に入りの場所を作ってあげる事で猫同士の諍いを減らす助けになる場合があります。普段仲良しの子達でも、いざという時にひとりになれる場所を作っておいてあげると、猫の性格にもゆとりが生まれてくるようです。

首輪とリード

病院へ行く時など、外出時に事故防止の保険としてリードを着けておく事はとても重要です。

この場合のリードは、ハーネス(胴輪)タイプのものが抜けにくくて良いようです。また外へ出している猫に首輪を着ける事で、その子が飼い猫であるという証明をする事ができます。室内でも鈴付きの首輪をすると、猫がどこにいるのか音で判断できるので便利な場合があります。また単純に、首輪にはおしゃれの意味もありますね。

首輪を選ぶ時に、重要なのはサイズと素材です。首に着けた時に指2本入る位が適当なサイズとされています。子猫は成長が早いので、時々確認する癖を付けましょう。

外出する猫の首輪には、どこかに引っかかると伸びたり切れたりして簡単に外れるタイプのものが事故を未然に防ぐためにお勧めです。ただし、このタイプの首輪をする場合、逆に緩んで引っ掛かりやすくなってしまう場合がありますので時々点検するようにしましょう。材質によっては首の周りがカブレたり、色落ちしてしまうものもあります。注意して選ぶようにしてください。

爪とぎ

猫は爪を研いで古い角質を落とし、常に新しい、尖った爪にしておく習性があります。また目立つ場所で爪を研ぐ事で自分のなわばりを示す目印にする事もあります。子猫の頃から爪とぎを用意する事で、それ以外の家具や壁、柱での爪とぎを減らす効果があります。

爪とぎは、出来る限り常に新品の状態に近づけておきましょう。そうすると、猫は喜んでそこで爪を研ぐようになります。

爪とぎには紙製(ダンボール製)、木製、布製(絨毯)のものなどがあります。最終的に選ぶのは猫なのですが、家の絨毯で爪をといで欲しくない場合、絨毯でできているものは避けた方が無難でしょう。

猫が爪とぎを爪とぎときちんと認識してくれれば良いですが、絨毯=爪をといでも良いと認識してしまうと、部屋の絨毯で爪をとぐようになってしまいます。木製、紙製のものも、家の中で爪をといで欲しくないものと材質が酷似している場合は他の材質のものを選ぶのが無難でしょう。

ケージ

急な病気、猫の苦手な来客など、猫を隔離しなければならなくなった時に、キャリーバッグよりも大型のケージがあると便利です。できれば猫の寝るスペース、トイレ、食器が入れられるサイズのものを選びましょう。

普段から室内に設置し、扉を開放して常に猫が出入りできるようにし、猫のお気に入りの場所をそこにする事で、いざという時の隔離のストレスを和らげてあげる事ができます。

グルーミング用品

ブラシ、コーム、爪切りなど、長毛種でなくても必要なものです。定期的なグルーミングで猫とのスキンシップをはかり、抜け毛を除去する事で毛玉症の軽減にも繋がります。また、全身をくまなく触る事で病気を早期に発見する事もできます。

グルーミングについての詳細などについては、こちらのページにて解説をしています。

短毛種:スリッカーブラシ、獣毛ブラシ、コーム、爪切りなど
長毛種:ピンブラシ、コーム、爪切りなど

あると便利なもの

保温器具

猫には必ずしも必要なものではありませんが、子猫や老猫には季節によって必要になってくる場合があります。

絨毯のようなマット状のもの、アンカや湯たんぽ、緊急時には使い捨てカイロを利用する事もできます。どんなものを使う場合も、必ず人間が触って温度を確かめるようにしましょう。

キャットタワー

猫は言うまでもなく、高いところに登るのが大好きです。

戸棚やたんすの上、室内には登ると危険な高いところがたくさんあります。ただやみくもに高いところに登る事を禁止するのではなく、登ってもいい場所を作ってあげる事で他のところへ登る欲求を少なくしてあげましょう。キャットタワーの設置もひとつの方法です。

おもちゃ類

猫はヒトと暮らすようになって、自分で獲物を獲る機会が減ってきました。そして狩りの欲求を、獲物に似た形態のものを追いかける事で発散させるようになりました。猫が獲物とする小型の哺乳類や昆虫に似た大きさのものは、何でもおもちゃになります。

けれどもここでまた、千差万別のこだわりを発揮するのが猫で、人間がきっと気に入ると思って買ってきた高価なおもちゃよりも、丸めたティッシュを喜んだりするものです。猫の気に入るおもちゃ探しは、それぞれの飼い主の楽しみのひとつでもありますね。

シャンプー、リンス

猫にとって、シャンプーはそれほど重要なものではありません。長毛種でも、通常のブラッシングをきちんと行う事で、シャンプーはほとんど行わなくても良い位です。(完全室内飼いの場合)ただし、極端に汚れてしまい、室内で生活するのに支障が出てしまうような時には、シャンプーをしなければならなくなります。

また、オス猫では稀に尻尾の付け根や顎の臭腺からの分泌物が過剰に出てしまい、その部分がべったりと脂っぽくなる子がいます。そのまま放置しておくと皮膚炎を起こす場合がありますので、こういった子は定期的にシャンプーを行い、清潔に保つ必要があります。

市販されているシャンプーにはリンスインタイプのものや、毛色別のもの、ノミ取り効果のあるもの、自然原料で出来たものなどがあります。いずれの場合も猫の皮膚ペーハーに合わせて調合された猫用のものを使用し、シャンプーもリンスも充分に洗い流すようにしましょう。また、シャンプー後はしっかりと根元から乾かし、皮膚がジメジメしたままでいないようにしてください。そのままにしておくと皮膚病の原因になる事があります。猫のお手入れについては、別項で詳しく解説します。

ネコ草

最近では毛玉症対応のフードが出回ってきたせいか、猫が毛玉を吐く事が少なくなってきたように感じられます。猫は自分で体中を舐めてグルーミングをする習性があり、ザラザラの舌は抜け毛を絡め取って飲み込ませてしまいます。通常、猫は自然にこの毛玉を吐き出す事で外へ排出しますが、吐き出せず腸内へ流れ込んでしまうと腸閉塞を起こす事もあり大変危険です。

ネコ草は主に稲科の植物の芽で、尖った形状の葉を持っているものが多いです。この草を猫が食べる事によって、胃粘膜を刺激し、胃にたまった毛玉を吐き出しやすくする効果を持っています。また、繊維質の多い草を食べる事で、毛玉になるほどではない抜け毛を便として排泄することを助ける働きもします。

猫にネコ草を与える時は、葉の部分だけを刈り取って与えるようにしましょう。根を残しておくと、またそこから新しい芽が伸びて、何度も収穫する事ができます。また、毛玉症対策のジェルなどもあり、ネコ草の栽培が家庭でできない場合や猫が草を嫌う場合などに利用する事ができます。

またたびについて

ねこにまたたびと言われるように、またたびの木や実には、猫のフェロモンに似た匂い成分があり、これを嗅いだ猫は酔っ払ったように興奮状態になる事が知られています。

酔っ払い方もネコ様々で、気持ちよくなって眠ってしまう子、逆に興奮して飼い主や他の同居猫に攻撃をしかけてくる子もいるようです。フェロモン(性的媚薬)という特質上、子猫や妊娠中の猫、去勢避妊をした猫は反応が無い、もしくは薄いと言われています。

また、与えすぎる事で極度の興奮から昏睡状態に至り、死亡するケースもあるようですので、与える場合は限りなく少量を忘れた頃に、という程度にし、保管はくれぐれも猫の届かないところにするのが懸命です。与えてはいけないものではないですが、くれぐれも与えすぎに注意するようにしましょう。

また、またたび科のキウイにも同じような反応を示します。キウイを栽培している場合にも、充分な注意が必要です。

ネコの育て方もくじ