鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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201日目「開封済みの商品が再配達された事もあるので、まだマシだと思う事にした。」
2026年7月2日(木) 94 / 0

昨日届く筈だった荷物を取りに行った。
人間用のジュースが見知らぬ家の前に配達されて行方不明になり、1号と2号と3号と4号用のキャットフードは配送トラブルで明後日に届くという連絡を受けた矢先の事である。

…そう、家に“届いた”のではなく、私が“取りに行った”のだ。

「どうやら昨日の配達員が隣の家に配達したようです。」

まだ配達開始の時間帯ではないと思われる時間帯に鳴り響いたインターホン。
叔母の襲来だと勘違いした猫達がワサワサと家具の裏に隠れてしまったが、気にせず話を聞き続ける。

「確認が必要なので、一緒に来てくれますか?」

「…え?」

結構な頻度で誤配がある地域ではあるが、流石に初めての状況である。
大体は配達員さんが取りに行ってくれるか、見付からずに返金手続きになるからだ。

「いやー、ウチが届けてあげようかとも思っていたんだけどねー!」

配達員のお兄さんに連れられて隣の家に行くと、気の良さそうなお兄さんが笑いながら段ボールを指差した。
隣人からの連絡で行方が分かったのか、昨日の配達員さんが覚えていたのかは不明だが、とりあえず開封された気配はないので受け取る事にする。

「じゃあ、俺は今日の分を運んで来ますね!」

「…え?」

颯爽と去っていく配達員のお兄さんの背中を無言で見つめた後、ニコニコ笑顔のままの隣人のお兄さんにお礼を言ってから箱を持ち上げる。
一箱分のジュースは軽くはないが、無関係の人にコレ以上の迷惑は掛けられないので私も早々に立ち去る事にした。

「無事に見付かって、良かったですね!」

隣人のお兄さんに心配されないように余裕がある感じを出しながら歩いていると、階段の下で配達員のお兄さんが待っていた。
その足元には私が担いでいるジュースの段ボールよりも大きなキャットフードの段ボールが置かれている。

「昨日、ソッチの荷物は日曜日に届くという連絡があったのですが…。」

「さぁ?違う配達員の事は分からないので、そんなに大きなトラブルじゃなかったんじゃないですかね?」

配達員のお兄さんは首を傾げているが、その仕草をしたいのは私の方である。
配達が遅れるのは仕方がない事だと思うが、最近は予定日の何日も前に到着する事が増えているので、本当に自分宛の荷物なのか不安になってしまうのだ。

「じゃあ、失礼しますね!」

「…え?」

爽やかな笑顔で次の配達先に向かう配達員のお兄さんを引き留めるのも申し訳ないので、小さく別れの挨拶を呟くとクルリと振り返って手を振ってくれた。
聞こえてない前提で言っていたので非常に驚いたが、少しだけ引き攣った笑顔を浮かべながら見送る。

「家まで運んではくれないのか…。」

覚悟を決めるように大きくため息を吐いた後、キッと表情を引き締めて段ボールを抱え直す。
キャットフードを置きっぱなしにするのは嫌だが、メッチャ目立つであろうデカい段ボールの方が盗られにくいだろう。

「…。」

筋力自体は平均くらいあると思うが、昔から異常に握力が弱いので段ボールに空いた隙間に指を入れて持ち上げるのがとても辛い。
かと言って担ぎ上げてもバランスが取れそうにないので、必死に足を動かすしかない。

…ビリッ、ビリリリリッ!

やっとの思いで玄関の中に入った瞬間、段ボールの寿命が尽きた。
靴の上に降り注いでいくペットボトルをぼんやりと眺め、肩を落としながらお役御免になった段ボールの残骸をポイッと上がり框に放る。

「さて、次に行くか。」

ポッテポッテとヤル気のない動きで階段を下り、キャットフードが入っている段ボールも回収する。
四袋のキャットフードが詰め込まれた段ボールの方が軽く感じたので余裕の表情を浮かべていたが、足の踏み場もない状況の玄関を通り抜けられなくて四苦八苦した。
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