ペット保険の必要性と選び方

「ペット保険」、その言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。ペット保険とは、ペットの診療や手術などにかかる費用の一部を補償する制度のことです。

しかし、具体的に何を提供するのか理解できなければ、どの保険を選ぶべきか判断するのは難しいでしょう。新たに猫を家族に迎える方や、既に猫と一緒に生活している方も、ペット保険の必要性について考えてみてください。

ペット保険についてご存知ですか?

なぜペット保険は必要なのか?

ペット保険に加入すると、年間または月々の保険料を支払うことになります。そのため、実際に保険料を払い続けることができるかどうかも重要な判断基準となります。
それでは、なぜペット保険が必要だと言われるのか、そのメリットを探ってみましょう。

公的医療保険の非存在による医療費の全額負担

保険に入っていないとかかった費用は全額負担に

人間には公的医療保険が存在し、医療費は原則として3割負担となります。

しかし、猫には公的医療保険が存在しないため、医療費は全額飼い主の負担となります。

一定の貯蓄があれば、一部の医療費に対応できるかもしれません。しかし、早期に重い病気に罹ったり、突如として通院や手術、入院が必要になる可能性もあります。

そのような緊急事態に備えて、ペット保険への加入を検討することは重要です。万一の状況でも、保険があれば急な出費を一定程度軽減でき、安心感を得られます。

長寿化に伴う病気や怪我のリスク増大

長寿になった分リスクが高くなります

近年、医療技術の向上や生活環境の改善により、猫の平均寿命は延びています。

しかし、それと同時に、人間同様に生活習慣病などに罹るリスクも増えてきています。

「ある程度年齢を重ねてから保険に加入しよう」と考える方もいるかもしれませんが、ペット保険は猫が高齢になると適用範囲が狭まることがあり、また、特定の病気が発覚した場合、加入が難しくなることもあります。

健康なうちから保険に加入することにより、予期せぬ病気や怪我が発生した際でも、経済的な理由で治療をあきらめることなく、最適な治療を選択することが可能となります。

室内でも発生するケガや事故へのリスク

家でも危険なリスクは隠れています

家の中であれば、ケガや事故のリスクは低いと思われがちですが、思わぬ事故が発生する可能性もあります。

たとえば、おもちゃで遊んでいて誤って飲み込んだ場合の誤飲事故や熱中症、ジャンプの着地に失敗して関節をひねってしまうなどの事故も考えられます。

高齢化に伴う問題だけでなく、若くて活発な時期でも様々な危険が潜んでいることを認識しておくことが重要です。

すべての猫が保険に加入できるのか?

ペット保険への加入は、年齢や既往歴などによって制限がある場合があります。具体的な加入可能な年齢の上限や、既存の疾患や既往歴があっても保険に加入できるのか、これらの条件を確認することが必要です。里親募集や保護活動から引き取った猫の場合、年齢が不明であることが多いですが、多くの保険はこれらの猫でも加入可能です。

しかしながら、ペット保険は、同じプランでも猫の種類や年齢によって保険料が変動します。そのため、動物病院で推定年齢を確認することが必須となります。

年齢や既往歴があるとペット保険に入れない場合も

さらに、多くのペット保険は1年毎の更新で終身まで継続可能ですが、中には「〇歳まで」最大加入年齢が設定されているものもあります。これも加入前に確認することが重要です。

保険は何を補償してくれるのか?

一般的な保険の補償内容は、通院、入院、手術の3つに分けられます。これら全てが重要な要素ですが、それぞれ具体的に何を指すのか見てみましょう。

通院 主に入院や手術を必要としない診療費を補償します。
猫を気軽に動物病院に連れて行くことが可能となり、早期発見・早期治療につながります。
⼊院 猫が自宅での治療や療養が難しい場合に、病院で必要となる入院費用を補償します。
保険によっては1日あたりの補償金額、補償限度額、限度回数や日数などを指定していることもあります。
⼿術 手術にかかる費用を補償します。
1回あたりの補償金額や補償限度額、限度回数や補償対象外の症例を指定している場合があります。

保険を選ぶ際、多くの人が上限設定を確認することでしょう。それは確かに重要なポイントですが、診療費が一定額に達しないと補償が行われない「最低診療費」も存在するため、これも同時に確認することが必要です。

さらに、免責事項として補償対象外とされる状況が明記されている場合もあります。猫が一般的にかかりやすい病気が補償対象になっているのか、補償の日数や上限が納得できるかどうか、これらも確認するべき点です。

その他、猫が他人にケガをさせてしまった場合などの「損害賠償責任」を補償する特約を付帯できる保険や、医療相談が可能なサービスや健康チェックを行えるオプションを提供する保険も存在します。必要な補償内容に加えて、これらの追加サービスを受けられると、より安心感が増すでしょう。

保険金の請求はどのように行われますか?

ペット保険の保険金請求は主に「立替請求」と及び「窓口精算」の二つの形態があります。それぞれの特性について詳しく見ていきましょう。

立替請求

この形式では、最初に動物病院で診療費を全額支払い、その後指定の必要書類を保険会社に送付して保険金を請求します。保険会社が書類を受け取った後、査定が行われ、その結果がご自身が指定した口座に振り込まれます。

必要書類には獣医師の診断書が不要な場合や、まとめて請求できる場合もあるため、加入前にこれらの点を確認しておくと安心です。

窓口精算

窓口精算は、人間の医療保険と同様に加入証明を提示することで診療費の自己負担分のみを支払う方式です。立替請求のような書類作成は必要ありませんが、動物病院が保険会社と提携している必要があります。

提携していない病院であれば立替請求と同じ手続きを行う必要があります。また、スマートフォンから手続きを完了させることができる場合もありますので、精算方法も確認しておくと良いでしょう。

ペット保険選びの注意点は何ですか?

ペット保険は多くの会社から提供されています。保険を選ぶ際に気を付けるべきポイントを以下に列挙します。

免責期間は設定されていますか?

ペット保険には「免責期間」と呼ばれる、契約開始から一定の期間補償されない期間が設定されていることがあります。保険加入時にはペットが健康であることが前提となるため、病気の潜伏期間を考慮した期間設定となります。

この期間内に何かが起こった場合でも補償の対象外となるため、注意が必要です。ただし、「病気に対しては免責期間があるが、ケガの場合は免責期間がない」といった設定をしている保険も存在します。

将来的な保険料はいくらになりますか?

保険料は通常、年齢により毎年変動します。

一定の年齢を超えると保険料が緩やかに増加するか、あるいは一定の金額に固定されることもあります。そのため、現在の保険料だけでなく、将来的な保険料も確認しておくことが重要です。

補償対象外になる条件は確認しましたか?

基本的に、保険加入時にはペットが健康であることが前提となります。そのため、加入前から存在する病気やケガは補償対象外となることが多いです。

また、保険は基本的に病気やケガの治療費用を補償するものであるため、予防的な手術や検査(例えば去勢・避妊手術やそのための検査、無症状時の歯石取りなど)は補償対象外となることが多いです。補償対象外となる可能性のある内容については、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。

推奨するペット保険について

ネコジルシでは、全国に6,300件以上の提携動物病院があり、窓口精算が可能な「アニコム損保」のペット保険を推奨しております。

その詳細な補償内容から選択が可能で、シニア猫にも対応した保険プランが設けられております。その上で、サービスの質も充実しているため、あなたの愛猫とご自身のライフスタイルに適した保険を選択することが可能です。詳細については、こちらからご確認いただけます。

また、経済的な負担を軽減したい方には、業界最安クラスのPS保険がお勧めです。

特筆すべきは、24時間365日利用可能な獣医師への電話相談サービスや、免責金額や最低診療費の制限がないことです。これにより、些細な疑問や心配事でも安心して利用することができます。詳細はこちらからご覧いただけます。

猫と飼い主に最適な保険を見つけましょう

ペット保険に加入することで治療費の負担が軽減されるため、猫の健康異常を早期に察知し、迅速に対応することが可能になります。早期発見・早期治療は、治療期間を短縮し、結果として出費を抑える可能性が高まります。

自分と猫に優しいペット保険を選びましょう

サイト上で見積もりの取得や資料請求が簡単に行えます。これらを活用し、保険料を計算したり、他の保険と比較してみてください。

猫が病気やケガをするかどうかは予測不可能ですが、保険に加入しておくことで、何かあった際に安心して対応できます。ぜひ、あなたとあなたの猫のために、保険の加入をご検討ください。

著者紹介

上杉 華子(猫コンシェルジュ)

猫に関する専門家として猫の知識と経験が豊富で、猫の飼い主たちから高い評価を受けており、
猫の行動学や猫種の特徴、猫の健康や栄養管理など、猫に関する様々なトピックについて情報発信。
猫に関する情報が科学的根拠に基づき、そして分かりやすい言葉で説明していることを心がけ、猫の世話やしつけ方法、猫の病気や予防策についてのアドバイスを提供しています。
幼いころから猫を飼って育った自身の経験をもとに情報発信を行い、保護猫の里親探しや猫の福祉向上を目指して活動中。