猫を迎えた際、「早く仲良くなりたい!」「どれぐらいで慣れてくれるのかな?」と思う事があるかもしれません。
もちろん性格による部分も多いですが、猫は環境の変化を嫌いますので、慣れるまでの時間は長くかかります。
せっかく来てくれた猫に不用意にストレスを与えてしまう可能性もありますので、最初は何をしてあげるべきなのか?逆に何をしてはいけないのか?慣れてきた頃のサインも含めて説明していきます。
家に迎え入れてから本格的に猫との生活が始まりますが、猫は警戒心が強い生き物です。もちろん猫の年齢や性格にもよりますが、迎え入れてすぐに遊んだり、ゴロゴロ喉を鳴らすことは滅多にありません。
早く慣れてもらいたいと焦ると逆に仲が悪くなってしまう可能性もありますので、ゆっくりと、焦らず、気長にお世話をしましょう。
迎え入れた時は、猫も新しい環境でおびえていることが多いため、隠れられる場所やゆっくり落ち着いていられる場所が必要になってきます。そのためにも、最初の頃はケージの中でお世話をするようにしましょう。
まずはケージという安心できる場所があることを覚えてもらう必要があるのですが、同時に人間が一緒にいる環境にも慣れてもらわなければなりません。人出の多い出入口や洗濯機などの振動などが伝わる場所は避けながらも、人がいる事が多いリビングなどに設置をして、ケージの中から人を観察できるようにしてあげましょう。
ケージも広めで2~3段の高さがあるものを選び、トイレ・ベッド・フード・水・爪とぎを用意します。臆病な猫の場合はケージに毛布やタオルをかけて、徐々に見える範囲を広げてあげる方法も良いでしょう。
もちろん性格や環境によってはケージのサイズや高さ、慣れさせるまでの段階の踏み方も多少異なってくるので、お迎えする前に保護主さんと相談しておきましょう。
知らない場所にやってきたのですから、猫は不安な状態です。「早く仲良くなりたいから」と触ろうとしたり、抱っこしたり必要以上にかまわないようにしましょう。
最初はご飯やトイレ清掃は同時に行うなど、出来るだけ接触回数は少なめに、必要最低限のお世話のみにとどめてください。また、猫にとって目が合うことは威嚇と捉えてしまいますので、目が合わないようにしてください。
あくまでゆっくり時間をかけて仲良くなるものだと考えて、焦らずに、猫には「ここは怖くない場所」だと認識してもらえるようにしましょう。
「ケージに閉じ込めておくのはかわいそう」と思われることもあるかもしれませんが、四方を囲まれているスペースは猫にとっては安心できる場所になります。
逆にケージに慣れていないと、病院に入院した時や安静にさせておきたい時、災害時などでケージ生活をする必要が出てきた時などに、周囲の環境も変わる上にケージという慣れない場所にいることで、ケージそのものがストレスになってしまいます。
もちろんケージ内が快適で、安全な場所だと思ってもらう事が大事です。掃除などを行い清潔にして暮らしやすい環境を作ることはもちろん、しつけのためにケージに閉じ込めたり、ケージにいる時に叱る、無理矢理入れるなど、ケージに嫌なイメージがつくような行動は取らないように気をつけましょう。
警戒心が強い猫も、慣れてきた時に出すサインがあります。そもそもどれくらいで慣れるのか?慣れてきたサインや気を付けることは何なのか確認してみましょう。
人間でも環境が変わってもすぐ対応出来る人もいれば、どうしても時間がかかってしまう人もいます。
猫も同じで、何にでも興味を持つような子や人懐っこい子、どっしりとした性格の子は数日で慣れることもありますし、警戒心が強い子やシャイな子であれば数か月後にようやく慣れてくれることもあります。
関係を築くのに最低でも2週間以上はかかるもの、時間がかかっても絶対にいつかは慣れてくれるものと信じながら、焦らずゆっくりと見守ってあげてください。
猫が慣れてきた頃に見せてくれるサインがあります。どうしても性格などに関わってきてしまうのでいつ頃見せてくれるとは言えませんが、1つの目安として覚えておくと良いかもしれません。
猫は警戒心が強いので、安心できる場所と判断できるまでご飯を食べず、トイレにも行かないなんてことも。
見ていないうちにご飯を食べたり、目の前でご飯を食べたら心を許しはじめたサインです。とはいえまだ許しはじめた状態なので、まだ見守る状態でいましょう。
最初は威嚇をしてくる子もいるかもしれませんが、慣れてくると威嚇の頻度も減ってきます。
ケージの外に出たい素振りを見せるようになってきたら、まずはケージのある部屋を探索させて、徐々に行動範囲を広げるようにしましょう。ケージから出すときは、扉を開けて自分から出てくるのを待ってあげてください。
この時も過度に干渉するのではなく、猫が寄ってきたりじゃれついてきた時に一緒に遊ぶ程度にしましょう。
行動範囲を広げる際は、入られては困る場所は侵入防止の対策をしたり、電源コードなどかじられて困るものは出さない・カバーをつけるなど予め対策をしておくようにしてください。
寝るという行為は無防備になるということ。ケージの外から出て寝るようになればかなり慣れてきています。
この時も近くに寄ってきたら撫でてあげる、かまって欲しくなさそうであれば放っておくなど、人のペースでは無く猫に寄りそう形で接するようにしましょう。
早く懐いてもらうコツはありませんが、嫌われないように気を付けた方がいいことはあります。また、依存されてしまうのも猫にとって逆にストレスになってしまうこともありますので、気を付けるようにしましょう。
猫が環境に慣れてきたとしても、まだまだ人との距離はあるもの。猫が心地良い場所だと思えるように、猫の要求にこたえてあげる程度にとどめておきましょう。
ただし、要求にすぐに反応をしてしまうと、猫はそういうものだと思ってしまい、飼い主さんに依存してしまったり逆にストレスになってしまうことも。少し間を置いて反応してあげるなど、多少の我慢をさせることも必要になります。
大きい声や音を出す、追いかける、隠れているところから無理矢理引きずり出すなどの行為は猫に嫌われてしまいます。
また、匂いにも敏感で嫌がる匂いもあります。アロマなどは植物と同じように猫に悪影響を及ぼす可能性があるので、猫に触れないように気を付けて。
猫に優しい声でゆっくり話したり、猫のペースに合わせる、かまいすぎないようにするなど、猫に好かれやすい行動を取るようにしましょう。
猫はおいしいものをくれる人を良い人だと認識しやすいです。手から与えるのが難しそうであればスプーンに分けて与えるなど、少しずつ距離を縮めていきましょう。
もちろん与えすぎは健康に悪いので、量や種類には気を付けて与えるようにしてくださいね。
一緒に遊ぶと警戒心を解いて一気に慣れてくれる可能性があります。最初は様子を見ながら猫じゃらしなどのおもちゃで誘導してみましょう。最初は興味を示さなくても、慣れてきてくれば自然と遊んでくれるようになります。
この時も遊んでくれないからと無理矢理おもちゃを押し付けたり、大きい音や声を出して気を引くような行動は取らないように気を付けてください。
慣れやすい猫もいれば、慣れるまでにどうしても時間がかかってしまう子もいるため、想像しているより懐くまでに時間がかかってしまうことがあると思います。
これは性格や環境の変化に慣れない子であれば仕方ないことで、個性であることを理解してあげてください。他の猫と比べたりせず、お世話をしながら根気強く気長に慣れてくれるのを待ちましょう。