迷い猫掲示板 - 飼い猫を探しています

猫ちゃんの居場所

猫を探す際には、猫の好む場所や習性に基づく可能性のある行動範囲を理解することが重要です。たとえば、夏は強い日差しを避けて涼しい場所を好む傾向がありますし、冬は比較的暖かい日中に活動することが多いです。

さらに、逃げ出した場所、その猫が現在の住居に住み始めてからの経過時間、去勢や避妊の状況、そして性別による移動範囲など、様々な要素が猫の行動を左右します。

しかし、猫は個々の性格により行動が変化しますので、以下に述べる条件が必ずしも全ての猫に当てはまるわけではありません。それらを絶対的なルールと捉えるのではなく、「一般的に観察される傾向」と理解し、探し出すためのヒントとして利用しましょう。

ここでは探す場所について説明していますが、効果的な捜索方法と持ち物リストで説明している効果的な捜索法についても参考にしてください。

出たところから戻ってくることも

愛猫が家を出て行った場所をはっきりと知っている場合、その場所から戻ってくる可能性があります。そのため、窓や玄関を少し開けて、いつでも戻ってこれる状態にしておくことが望ましいです。

ただし、その際は防犯対策も念頭に置いておくことが重要です。

例えば、窓を開けておく場合は防犯用の装置を用いて全開にならないようにする、玄関は就寝時以外の時間帯に限り、チェーンをかけた状態で少し開けておくなど、猫の安全と防犯対策を両立させましょう。

脱走経路を確認してください

愛猫が家から出たと思われる場合でも、「気がする」だけでは確証がありません。そのため、家の中を細かく調べてみてください。

家具の隙間や床下、屋根裏に隠れている可能性もありますし、隠れている場所から動けなくなってしまっていることもあります。家の中にいなかったとしても、縁側や物置がある場合はその下や上にいる可能性もあるため、多角的に捜索を行いましょう。

一部の飼い主が遠方まで探しに行った結果、実は家の近くに隠れていたという事例も報告されています。猫が自宅から脱走したと確認できない場合は、まずは自宅の中やその周囲を徹底的に確認することが重要です。

性別や年齢などで行動範囲も変わります

人間でも性別や年齢によって能力の違いがあるように、猫の行動範囲もその性別、年齢に依存します。さらに、猫が去勢や避妊の手術を受けたか否かもその行動範囲に大きな影響を与えます。

  • オス 500m~1km程度 去勢済みなら250m~500m
  • メス 150m~250m程度 避妊手術済みなら50m~150m

一般的に、オスの猫はメスよりも広い範囲を移動します。年若い猫は広範囲を探索する傾向にあるかもしれませんが、年を取った猫はその範囲が狭まり、動きもゆっくりとなることが多いです。加えて、若い猫は高い場所へ容易に登ることができますが、年老いた猫は体力の観点から、低い位置で休息しながら動くことが一般的です。

外で自由に動き回ることが許されている猫は、より広い行動範囲を持つことが予想されます。これに対し、完全に室内飼いの猫は、数日間にわたって家の近くで隠れ、周囲の様子を窺う傾向にあることが多いです。猫が見つかった場合も、多くは自宅の近くであることが報告されています。

いずれの猫も、最初の段階ではあまり遠くには行っていないことが多いです。したがって、自分の家やその周辺を繰り返し確認することが推奨されます。また、猫が通りかかるタイミングを逃さないよう、時間を変えつつ何度も確認を行うことも効果的です。

なお、猫は無生物ではなく、動く生物であることを理解してください。もしも携帯電話を探しているのなら、一度探した場所になければ諦めるのも理解できます。しかし、猫は動き回ります。そのため、一度探した場所に再度現れる可能性もあるのです。

だからこそ、すぐに諦めず、同じ場所でも何度でも確認することが大切です。

時間帯や場所

猫は一般的に、明け方と夕方に活動することが多いと言われています。しかし、これは個々の猫の行動パターンや性格により大きく異なる可能性があります。例えば、日常の生活リズムが明確に定まっている猫は、定期的な食事時間や特定の活動時間に沿って行動を開始することがあります。また、人見知りする猫は人通りが少ない深夜に活動を始めるかもしれません。

猫が身を隠す場所についても留意するべきです。木に登って降りられなくなったり、狭い隙間に身をひそめている可能性もあります。猫が好むような場所や、自宅で猫が頻繁に利用していた場所と類似する場所を探索することが助けになるでしょう。ただし、探索は地上だけでなく、高所や細部まで行いましょう。

天候や季節でも変わってきます

天候や季節も猫の行動パターンに影響を及ぼします。暑い日には猫は日陰に、雨の日には濡れない場所に身を寄せることが多いです。雨が止んだ直後は猫が餌を探しに出る機会が増えるため、見つけるチャンスが高まります。

  • 春・秋

    春と秋は気候が穏やかで、猫にとって活動しやすい時期です。昼夜問わずに活動する可能性が高く、発情期を迎えた猫は特に行動範囲が広がり、遠くへ出ていく可能性もあります。

  • 夏季には日中の高温に対処するため、猫は日陰など涼しい場所で休むことが多く、涼しくなる夕方から活動を開始することが多いです。

  • 冬季は比較的暖かい日中に活動し、夜になると風を防ぎ寒さから身を守る場所に身を寄せる傾向があります。

著者紹介

上杉 華子(猫コンシェルジュ)

猫に関する専門家として猫の知識と経験が豊富で、猫の飼い主たちから高い評価を受けており、
猫の行動学や猫種の特徴、猫の健康や栄養管理など、猫に関する様々なトピックについて情報発信。
猫に関する情報が科学的根拠に基づき、そして分かりやすい言葉で説明していることを心がけ、猫の世話やしつけ方法、猫の病気や予防策についてのアドバイスを提供しています。
幼いころから猫を飼って育った自身の経験をもとに情報発信を行い、保護猫の里親探しや猫の福祉向上を目指して活動中。