えりかの猫本レビュー

第86回 あくまで猫の「猫の品格」


こんにちは。
そろそろ朝晩はちくちくと
冷え込んできて、秋も後半の
様相を呈してきました。
皆様お元気でしょうか。
私は元気です。
今回のえりかのコラムは
「猫の品格」のご紹介。
ごゆっくりご覧ください。









「世の中には素晴らしい猫もいる」

と始まり、しかし次には
「しかし、自分のうちの猫はどうだ」と
続く文から始まるこの本。

あくまで「猫の品格」であり、
「猫好きの品格」では
ないわけです。









だから、飼い主のことなんて
ぜーんぜん書いてません。

猫の品格というものは
飼い主で決まるのです云々と
いうことも全く書いてません。

なので、お宅の猫に品格が無いのは
飼い主のせいだ、と咎められる様な
本でもないし、猫の飼い方がどうの、
とかいう、なんだか身につまされる
方面の本でもないわけです。









「猫の品格」、特に「品格」なんて
聞いてしまうと、ちょっとツンケンした
感じの方面、なんだかザマス的な方面を
想像してしまうかと思うのですが、
そんなの全く見当たらないうえに
著者からして「猫ならなんでもいい」と
節操のない発言を早々からしているのです。

そんじゃ、どんな本か。

どんな本か、と言われると
なんだかえりか困っちゃう。

なんだかこう、掴み所の無い
本なんじゃないかと思うのです。

エッセイ、とも取れるし、
そうかと思えば随筆でもある。








ただ、やっぱり猫の話は
たーくさん。

自分ちの猫の様子とか、
出会った獣医さんの話、
有名な猫達の話、
文学、漫画に出演している
猫の話などが盛りだくさん。









そして、最後に「猫の品格」のお話。

これがまた、解るような解らないような、
なんとも猫の様なお話なのです。

掴み所があるような無いような、
感じようとしても感じられないような、
でもなんとなく感じられるような、
「品格」ってもんはそういうもん
なのかもしれないです。

そこに言及している著者は
すごいなぁ、と思います。









この本の著者は、青木るえかさんと
いう方なのですが、この方がまた
まあ、なんと言うか、人間の一番
突かれたくないところをズバリと
突いてしまう、というような方で、
のっけからこう書いてるんです。

「猫が好きと公言するやつを
 信用してはならない」


女でそう言うやつは、モテたいから
言っているのであって、それに
釣られる男はバカモノだと。









いやあ、この発言。
ここネコジルシに登録している方に
ケンカ売ってるようなもんですよねぇ。

いや、それでもね。
そういうことを言うからには、
やっぱ青木さんなりの理由が
あるわけで。

何と言えばいいのでしょう。

カッコつけようとしたり
夢見る夢子ちゃん的発言を
しちゃったり、謙遜に
見せかけた自慢を
しようもんなら、即座に
見抜かれてしまうような、
そんな鋭さがあるものですから、
読み進めていくうちに
「猫が好きって言ってすみません」
なんて言いながらすすり泣く、と
いうような感じになるやもしれません。









けれど、そのあたりがこの方の
理由なわけで、なんとも独自な
モノの見方をババンと披露して
いらっしゃいます。

だからねぇ。
アクが強い本ですよね。
猫好き万人に薦められるかと
いうと、そうでもない。

この方の主観的な部分で、
好き嫌いがハッキリ別れる、
そんな一冊だと思います。






、この世は猫ブーム。



猫のモノであれば、とりあえず
人が集まるという様相を呈しています。

書籍もブログも映像も、とにかく猫が
題材であればそれなりにヒットする。

誰もが猫を「可愛い生き物」扱いし、
可愛い、ステキ、愛してる、
そこにシビれる憧れるぅ的な
発言以外には眉をひそめ、
猫という生き物は何をどうやっても
「可愛い」以外のナニモノでもない!と、
盲目的に取り上げる。









しかーし、猫の愛され方なんて
千差万別。十人十色。多種多様。

この猫ブーム。
俺は猫好きだけど、ちょっと今の
ブームとはノリが違うな、
うんノリが違う、確実にノリが
違うな、という方に、
どっちかっていうとお薦めです。












猫の品格
世の中には素晴らしい猫もいる。しかし、自分のうちの猫はどうだ。猫は、自分に似た飼い主のもとにやってくる。品格の高い人間になりたいのなら、猫とともにあろう。共感と爆笑の猫論。




Auther:

★えりか


ご覧の通り、絵も文もゆる〜い感じで進むこのコラムですが、皆様のお目汚しにならないよう、しこしこと精進しながらがんばっていきますので、どうかよろしくお願いいたします。

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