えりかの猫本レビュー

第11回 頭に残って離れません「ねこざかな」


みなさんお元気ですか?えりかのコラム11回目ですよ。
今回は、子ども向けの絵本です。
「ねこざかな」って聞いたことありますか?
わたなべゆういちさんが書いている絵本シリーズです。
たまには、絵本などぼけらっと眺めてみるのもいいものですよ。
では、「ねこざかな」いきますよー。












回の題材「ねこざかな」は、シリーズものになっているので

どれか一冊、ということではなく、シリーズ全体通して
レビューしちゃいますね。シリーズ全体ステキですので。

ページを開いてまず感じるのは、「なにこれ!かわいい!」と
じわりじわりとわき出る感情。なんて言うんでしょうか、
ヘタうま(わたなべさんを捕まえて『ヘタ』とか言うのも何ですが)
の妙味。そして絵から伝わる表情の豊かさ。そしてカラッと明快な色彩。
どれにもこれにも、気分を落ち込ませる要素はありません。






たまに、子ども向けの絵本でも、見事に鬱にさせてくれる
子ども泣くんじゃないか等と思わせられる絵本がありますが
そういった鬱方面絵本とは正反対。ぱっと目に明るい色なのに
それがうるさく感じないのは組み合わせの巧さでしょうか。
まさに絵本のラテン系。色使いだけでも明るい気分に
させてくれることしきり。







内容も至極簡単。
仲良しなねことさかな。
さかなとねこは、お互いの中に入ることができます。
顔が出た着ぐるみみたいになれるってことですね。
そんな二人が、いろいろな出来事を体験していくわけですが
やっぱりそこは子ども向けなわけで、微笑ましい出来事ばかり。
おおきなたこに追いかけられたり、クリスマスには、ツリーに
飾られている大きなくつしたの中に入って眠ったり。






着ぐるみのようになれる、と書きましたが、
これがまた可愛いんです。一番のおすすめは
「おどるねこざかな」の表紙。騙されたと思って
一度見てみてくださいな。これすんごい可愛いです。
さかなの中にねこが入って、踊っているだけの図なのですが
手の動きといい足の動きといい、顔の表情といい
グッズなどにならないのが不思議な程、キャッチーで
ポップでいい味出してる可愛さです。






文もまた秀逸。
文にはリズム、語呂というものがあり、
日本人はそれをとても大切にする民族です。
それの表れが五七調、七五調であり、
短歌であり俳句であるわけです。
五七調、までとはいきませんが、
この「ねこざかな」シリーズの文章は
優しい、心地よいリズムで文を刻みます。








それはまるで、小さい頃お母さんに
本を読んでもらっているかのよう。
ぼけーっととりとめもなく文章を読んでいると
頭の中の声が母の声に重なる感覚。
そんな優しい感覚に浸っている自分に気が付きます。





この本。内容だって絵だって、深読みしようと思えば
いくらでも深読みできる内容になっています。
生来天敵であるはずの猫と魚が互いに仲良くてうんぬん、
お互いの中に入り込んで冒険するとはうんぬん、
この色使い的に作者は何を伝えたいのかうんぬん。


れども、この本はそんな深読みしちゃうと

つまんないと思いますよ。そういう楽しみ方も
あるでしょうが、この本はぽけーっと、らくーに
単純に、あ、絵が可愛いな、とか、あ、こういう雰囲気って
好きだな、とか、感覚的に捉えるととてもステキな存在になると
思う絵本だと感じます。真っ白い頭で、子どもの様に。


ねこざかなねこざかなねこざかな。

なんとなーく頭から離れない題名でしょ。

ねこざかな、ねこざかな。

多分、夜眠りにつく時に、ふと思い出すはず。









ねこざかな

ねこはさかながすき。さかなもねこがすき。で…ときどきねこはさかなのなかにはいってねこざかなになるのです。魚を食べようとした猫を逆に魚が飲みこんではじまるゆかいなお話「ねこざかな」





次回は7月9日更新予定!次回も是非見てくださいね!

Auther:

★えりか


ご覧の通り、絵も文もゆる〜い感じで進むこのコラムですが、皆様のお目汚しにならないよう、しこしこと精進しながらがんばっていきますので、どうかよろしくお願いいたします。

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