第23回 静かできれいな写真集「ねこめぐり」
こんにちはー。
クリスマスイブの今日、どのようにお過ごしですか。
えりかのコラム23回目が始まりますよ。
今回は「ねこめぐり」、写真集のご紹介です。
とても素敵な写真集です。
では、ごゆっくりご覧下さい。
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063659.jpg)
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063711.jpg)
写真集のレビューって、難しいんですよー。
だって、写真一枚が表している世界を、
言葉で伝えなくちゃいけないんです。
一枚の写真を見て、「キレイだな」って
思う心を、伝えなきゃいけないんです。
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063724.jpg)
それにはただ、「キレイな写真がたくさんの写真集です。」
なんて一言を書いても、誰の心にも伝わりません。
「キレイ」という言葉は使われすぎていて、
言葉の持つ意味が薄れてきているのです。
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063737.jpg)
この写真集は、目に鮮やかな色彩や
目立つ構図の写真はあまりありません。
どちらかというと、渋い色合いの写真だったり、
目線そのまんまな構図だったり、写真としては
平凡なものが並んでいます。
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063749.jpg)
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063811.jpg)
けれども、私がこの写真集に心惹かれてやまないのは
猫の表情がとても「きれい」だからなのです。
そして、背景とのコントラスト。
極々平凡なはずのその写真が、はっとする程綺麗に
見える時があります。
ただ、猫が座っているだけの写真なのに、
ずっと見ていても飽きない。むしろ、ずっと
見続けていたいような、ページを捲る事に
そんな気になるのが、この「ねこめぐり」なのです。
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063829.jpg)
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063840.jpg)
「キレイ」と言うよりも、「きれい」。
この「ねこめぐり」、サブタイトルが
「にっぽん猫紀行」というだけあって、「和」なんです。
なので、背景や色だって渋くてなんだか心に染み入る色ばかり。
暖色系の色だって、桜や紅葉といった自然の色なんです。
そんな、自然の中にいる猫を求めて夫婦で日本各地を旅し、
出会った猫達を撮影して出来上がったのがこの「ねこめぐり」。
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063851.jpg)
この本には写真ばかりではなく、短い文章が書いてあります。
写っている猫のことを説明している文章なのですが
どことなく懐かしい様な、なんとなく外国文学の様な、
そんな不思議な感じの文章です。
心にしっくりくる写真と相まって、とても居心地の良い
空間を作り上げています。
ページを開く、ということは、
その本の作り出す空間に入る、ということ。
この本のそれは、日本人の感性にぴったりで
とてもリラックスできる空間に仕上がっています。
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063906.jpg)
薄れてしまった「きれい」という言葉の意味を
この本で再確認してみませんか。
おすすめです。
![](/nekomedia/upload/jamenicca20061224063917.jpg)
ねこめぐり
北は北海道、稚内から、南は沖縄、西表島。日本のすべての都道府県を訪ね、たまたま出会った猫たちの、自由な表情を収めた5000本を越えるフィルムから選んだ、121匹の気ままに生きる猫たち。彼らを通して、彼らを見守る心優しい「見えない人々」が写っているのです。その見えない人たちの思いが伝わってくる心温まる写真集です。
次回は1月7日更新予定!次回も是非見てくださいね!